日本人はどこに行っても日本人

 アメリカに来ると、アメリカナイズして会話も(性格も)ざっくばらんになる、というのが一般的なイメージだと思うのですが、実際はどうかというと、日本人はどこの国に行っても日本人気質から抜け切れないんだと思います。そう思う瞬間は、日本人同士でコミュニケーションをするときです。どんなにフランクな人に見えても、日本人はやっぱり日本人っぽい性質は持っています。英語でお互いに喋っていても、結局会話の中身は日本人なんですね。
 例えばパーティーで日本人と会ったりすると、今まで外国人(日本以外の文化圏、もしくは国の人)にはフランクに”ハ〜イ、元気?”なんて言っていたのが、相手が日本人だとわかると、突然ペコペコお辞儀をはじめる光景はよく見られます。
 日本社会は『社会的文脈』というようなものがハッキリしていて、そこからの逸脱をよく思わない傾向があるように思います。人間関係の上では年齢や立場の上下関係もハッキリしていて、1学年でも違えばタメ口は基本的にきかないことが多いのではないかと思います。近しい人であっても、年齢や立場を踏まえて、言い回し、言い方、話す内容などを無意識のうちにかなり気をつけて喋っているはずです。それが英語で喋るときはそんなこと気にしないのかといえば、そうでもなく逆に言語的にはフランクな話し方をしているのに、日本人相手だと、会話に気をつけなきゃいけないという妙に距離感がつかみにくい会話になります。
 日本語で話していると微妙なニュアンスをちゃんと伝えることができますが、英語で話していると意味は通じてもニュアンスはうまく伝わらず、誤解を生むこともあります。日本人同士で英語を使って会話するのはその辺が難しいように思います。