中古車売買に見る商売方法


 アメリカでは車の個人売買がごく日常的に行われています。Tkの持っている車も個人売買で買ったものですし、低中流家庭の多くは個人売買で中古車を買います。もちろんディーラーの中古車も沢山出回っていますが。

 アパートの隣に住む中国人の夫婦、乗っている車はトヨタの車です。1台は新品の真っ赤なToyota Camry。もう一台はこれまたトヨタの10年落ち位のToyota Camryです。そんな彼ら、最近出かけようと古いほうの車に乗ってエンジンをかけたときに、バァーン!バンッバンッ!と爆発音が聞こえました。どうもボンネットの中からの音で、車のエンジンがバイクのような破裂音を2,3回させて止まりました。なんどかボンネットを見てはエンジンをかけなおしていましたが、結果は同じ。車からバイクのようなエンジン音がします。その日は諦めて、新車のほうに乗り換えてお出かけしました。

 数日後、お隣にお客さんがやってきました。どうもお隣さん夫婦、その車を売りに出していたようで、広告をみた人が車を見に来たようです。その日にやってきたのは二組。平日だったので奥さんが対応していました。午前中に来た一組目の人はエンジンをかけたとたんに例の破裂音を聞いてエンジンを切り、車から出てきました。そして苦笑いしながら考えてみるというような事を言って去っていきました。帰るときに対応していた奥さん、"他にも買いたいと連絡してきている人がいるから、早めに決めて連絡ちょうだいね!"とのたまっていました。なんという強気。二組目は午後やってきて、同じようにエンジンをかけたと単に顔をしかめてエンジンを切り、車からできます。お隣さんの奥さん、同じように強気の発言をしていました。

 どうも、彼らは自分の車がエンジンがおかしいのを十分分った上で、売ろうとしている様子です。確かに、壊れている車であっても市場にはでています。その場合は相場よりもぐっと安い値がついて、買い手は故障者を買った後に自分で修理して使うことを前提にしているからです。モノによっては、明らかに修理ができないくらい壊れているものを売り出している広告を見ますが、この場合は中古パーツとして売っているようです。しかし、お隣さんの場合は、それとは様子が違って、普通に売買をしようとしている様子です。

 エンジンの調子がおかしいのを分っている上で人に売ろうとする、しかもあの強気発言。国によって商売根性が違うのをまざまざと見せ付けられました。さすがにこれは真似できないなぁと思った出来事でした。