ガレージセールに見る商売方法


 ガレージセールをやって、売り手に回ると、売買のときの心理戦を味わうことができます。ある商品を40ドルくらいで売りたいと思っていても、40ドルの値札をつけていると値切られることもあります。例えば50ドルの値札をつけておけば、人によってはそのままの価格で買ってくれることもありますし、値切って30ドルまで落ちることもあります。どちらが妥協するかで商談が成立するか決まるので、弱みを持っているほうが相手にひっぱられます。売り手が強気で行ったところで、買い手が買う気を起こさなければ売れませんし、買い手が安く買おうとしても、売り手が譲らなければ値段交渉は成立しません。結局妥当なところで落ち着くのですが、ガレージセールを日常的にやれるアメリカでは、こういう商売感覚も養われるのかもしれません。

 そんなガレージセールで商売に厳しいのはやはり中国人です。強気で値切ってくるのも中国人ですし、大抵の商品はひっくり返して、端から端までさわり、舐めるようにして確かめて、注文をつけてくるのも彼らです。その商売根性には頭が下がるほどです。

 彼らが売り手に回ると、独特のやり方で商売をします。ガレージセールでも、売り手が値段を設定するのが普通ですが、彼らは(人によりますが)値札をつけないで売ります。客に、値段をつけるように言ってくるのです。じゃあ言い値で売ってくれるのかと思えばそうではなく、こちらの希望の値段を聞いてから、原価はもっと高いからそんな安価では売れないと文句を言ってきます。じゃあ、元からその値段を付ければいいのですが、なぜかそうはしません。こちらはいやになって買うのをやめてしまいます。こういう商売方法をとっているのはかの国の人だけのように思います。友達相手にでもそうなのですから、商売はまた別なのでしょうか。

 こういうのもお国柄が出るようで、商売が上手な(?)中国の人もいれば、日本のように商売ベタな国もあります。恐らく中東系の人たちはまた別な特徴があるのでしょうけど。