暑さを低電力で過ごすための戦略の必要性

 今回の原発事故で、原子力政策そのものが考え直されなくてはならないでしょう。福島原発は1970年代に作られた古い原発ですが、同様の発電所はまだあるでしょうし、新しいものでもいつ事故がおきてもおかしくないものはあるはずです。それらの総点検に取り掛からなくてはなりません。第2の原発事故を起こさないために。

 日本の電力の30%が原子力発電でまかなわれているそうですが、この点検中電力供給量は確実に減るはずです。これから熱い季節が来ますが、節電、場合によっては停電も覚悟しなくてはならないかもしれません。その環境を低電力で過ごすための戦略も考えて行く必要があるでしょう。昔ながらの日本家屋であれば、風の流れが家の設計段階で考えられているでしょうが、マンションや冷房を使う事を前提として立てられている家の場合は、暑い時期にどうすごすのか、どういうツールが使えるか、今から考えていく必要がありそうです。

 ここの住宅での過ごし方だけでなく、エリア全体の温度を下げるための戦略をもっと考えなくてはならなくなりそうです。簡単に思いつくところでは、行政に出来ることは緑化、あとはここで出来るのは打ち水などでしょうし、あとは道路もアスファルトよりも熱をもたない素材に変えることが出来ればいいですし、河川もセメントで固めるのではなく、自然な状態にもどすことも長期戦略として必要かもしれません。電力を使わないでシステムとして暑さをしのぐ方向に変わっていくいい機会ともいえます。