トロント滞在4日目、Visa 更新面接 トラブル, 1時間で託児所を探せ!

 今日は、この旅の目的、Visa更新のための面接に行って来ました。Visaは無事に更新できました。あとは受け取りだけです。

 Visa interviewは朝10時からだったので、それに合わせて朝9時にはホテルを発ち、トラムに乗って目的地へ。トロントダウンタウンのど真ん中にあるUS consulateに面接予約時間の30分前にはたどり着きました。準備も万端だったので、特に慌てる事なく行くことができました。TkとTmの書類一式とパスポート、念のためにYuのUSパスポートも持参して行って来ました。

Visaを更新するのはTkとTmだけで、US citizenshipを持っているYuは必要ありませんが、まさかホテルに一人おいていくわけにもいきませんから、3人でトラムに乗って楽しく行ってきました。アメリカでもそうですが、子どもは保護者の監督下に常に置かないといけません。カナダでは子どもの保護に関してはもっと厳しいそうですし、US総領事館アメリカ国籍を持っているYuが入れないはずはありませんから、Yuを連れて行くことについては特に考えずに行って来ました。


 ところが、緊張しながら建物の外に並ぶこと10分、ようやく順番がきて受付のボディーガードに書類を見せると、"パスポートを見せなさい。面接があるのは誰と誰?(TkとTmを指して)あなたとあなただけ?じゃあ面接に関係のないBabyはダメです。二人だけで入りなさい。Babyはつれて入ることはできません。"と言われました。こちらがいくら、"この子はたった2歳半なので、連れて行かないわけには行きません。ここでは誰も預かってくれる人はいませんから、一緒に入れて下さい。この子はアメリカ国籍があるのにそれでも入れないのですか?"と聞いても、"No you can not"の一点張り。ともかく、面接を受ける人以外は、例え2歳児であろうが、アメリカ国籍であろうが入れないのだそうです。理由は、"We have no space for Baby"なんだそうです。何たる非情、全く理解できません。例えそれがルールであっても、子ども連れの私たちにとっては、ほぼ全ての可能性を否定されたも同然でした。

 
 その時点で時間は9時45分になろうとしていました。面接予約は朝10時ですから、猶予はありません。直ぐにどこかYuを預かってくれる託児所を見付けて、2時間ほどの面接の間、安全にYuの面倒を見てくれる所を、この全く知り合いのいないトロントで見付けなくてはならなくなりました。午前中の面接は朝11時までに戻ってくれば受け付けてくれますが、その後は午後1時から3時の受付になり、それまでにも間に合わなければ、もう一度面接予約をし直さなくてはならなくなります。面接予約をやり直すことになると、1ヶ月以上先の面接になってしまいます。幸い現行のVisaはまだ有効ですから、アメリカに再入国する事は出来ます。再度面接を予約する為には一旦アメリカまでもどって、1から準備をやり直さなくてはなりません。

 
 その時点で、どうしても1時間以内にYuを預かってくれる託児所を見付けて、再びアメリカ領事館まで戻って来る必要がありました。


 呆然とするTkを励ましつつTmが行動を開始。すぐ近くのお店に入って託児所が近くにないか聞いてみますが、そうすぐに見つかるわけもありません。近くにあるKinkosというインターネットが有料で出来る店の場所を聞き、ネットで託児所か、ベビーシッティングのサービスを探し始めました。しかし、土地勘も知り合いもないこの街で、直ぐに信用できるベビーシッターサービスが見つかるとは思えず、Tkの提案で一旦ホテルに戻る事に。時間が1分も無駄に出来ないのでタクシーを拾って戻ります。Tkが考えたアイディアは、ホテルのフロントデスクに頼み込んで2時間だけYuの面倒を見てもらう事。お金をExtraに支払うことを条件に、自分たちの苦境を説明しながら交渉をしてみました。


 ホテルのフロントの人は困り果てた様子。それは当然です。見ず知らずの、親子に例え2時間だけとは言え子どもを預かってほしいと突然頼まれたのですから。理由は分っていても、むこうにとっても信用できる材料は何一つありません。しばらく交渉した結果、やっぱり断られました。以前、このホテルに同じように子どもを預けて行った人がいて、約束した時間に親が戻って来ずにひどいトラブルになった経験があったそうで、それが躊躇する原因だったようです。当然と言えば、至極当然です。


 フロントで対応してくれたホテルマンの人がオーナーに聞いたり、手を尽くしてくれました。従業員の中の地元に住んでいる一人を呼び出して、近所に託児所があるかどうか聞き、場所を教えてもらいました。教えてくれた保育所が飛び込みで預かってくれるかどうかは分りませんでしたが、藁をもつかむ思いでダッシュ、事情を説明して頼み込みましたが、そこはそう言うサービスはしていないと断られてしまいます。その場にい会わせて、話をたまたま聞いていた女性がその時話し掛けてくれました。近所に自治体がサービスしている託児所があるからそこに聞いてみたら?と教えてくれました。その女性は自分の子どもを保育所に預けにきたようでしたが、他の託児所については、そこのスタッフよりも知っている様子で、道案内も申し出てくれました。


 私たちにとっては渡りに船でしたので、その女性に感謝しつつ、再び移動。YuはTkにずっと抱っこされたままあっちこっちを走り回る親をちょっと不安そうに見つめていました。その女性が教えてくれた自治体の託児所は二つありましたが、近い方の託児所に道案内をしてくれました。そこでも同じように交渉してみましたが、断られてしまいました。残念ながら断られはしましたが、その託児所のスタッフに、さっきの女性が教えてくれたもう一件の方を紹介してくれました。どうやら最後の一件は"Emergency daycare"(緊急託児所)のサービスをやってくれる所なのだそうです。


 最後の望みをEmergency daycareをやってくれるというその託児所に託して、3人で再び走り出しました。Yuは抱っこされたまま、Tkの腕の中にいます。走りながら側を通ったゴミ箱の悪臭を”なんかイーにおいがするねぇ”と呟きながらTkの腕に抱かれていました。"これは臭いにおいって言うんだよ”とTkが言うと、”なにが臭いの?”と聞き返しながら不思議そうにしていました。



 最後の託児所は1ブロック離れたところにありましたから、再びタクシーを止めて行きました。時間は10時20分を過ぎようとしていて、時間との戦いです。面接を午後にする手もありますが、なんの保障もありません。何とか11時までに領事館に戻る為には、20分以内には託児所を見付けなくてはなりません。知らなかったとは言え、明らかにTkの下調べ不足でした。頼れる友だちも、家族もいないこの街では、とにかく会う人会う人に頼って行くしか術がありません。


 最後の託児所についたのが10時25分。開口一番、Emergency daycareを受け付けていますか?と聞くと"Yes we do"との答え!やった、ついに見つかった。しかも場所は市民図書館の建物の一角にある、公営の託児所です。敷地内には児童公園もある、地域のしっかりした託児所だったので、信用できるとおもいました。


 すぐにお願いすることにして、手続きをしようとしたところ、"ちょっとまって、受け入れが可能かチェックしてみるわ"と言われてしまいました。もしかしたらここでも受け入れてくれなかったら、あとがないとドキっとしました。Yuは他の子どもが遊んでいる様子を見て、ジャケットを脱ぎ始めていて、遊ぶ気満々です。しかし、ジャケットを脱ぐのを一旦待たせて保育士の受け入れ可能かどうかの回答を待ちます。もしここで受け入れてくれなかったら、どうあがいても午前中の面接には間に合いません。午後の面接までに別な託児所を探さなくてはならなくなります。


 しばらくして、"OK, 受け入れ可能です。”との答え。やった!ついに見つかった。時間は10時30分を過ぎていますが、まだ十分11時には間に合います。Yuにも"OK,ジャケットぬいでいいよ!”と声をかけることができました。


 幸い、Tmが英語の母子手帳とYuのおやつ用のミルクとクラッカー、そして絵本も持参していたので、保育士の方が必要なYuの健康情報は直ぐに渡すことができました。TmがスタッフにYuの事を説明している間、Tkが手続きの書類に記入します。自分たちの情報、いざというときの処置についての同意書にサインしてようやく完了。お礼を言って、託児所をあとにしました。Yuには、"おとうさんとおかあさんは、これからVisaの面接にいってきます。お昼ご飯には戻るから、ここで待っててくれる?”と聞くと、"うん、いいよ"と。Tkは泣きそうになってしまいました。


 そこから大通りまでダッシュ。再びタクシーを探します。急いで行かないと午前中の面接に間に合わないかもしれません。幸いすぐにタクシーがつかまり、領事館までいきました。TkもTmも汗びっしょりです。走ってかいた汗だけでなく、冷汗がびっしょりだったのは言うまでもありません。


 11時15分前に領事館に到着し、ようやく建物の中に入れてくれました。今回はBabyはいませんから、文句の付けようはありません。Visaの面接については後日書くことにしますが、10時45分に建物の中に入り、出て来たのが11時50分。約1時間弱の時間を要しました。手続きは、とくに大きな書類不備を指摘される事もなく、無事にすみました。Visaは二日後に発行されることになりました。水曜日の3−4時の間にVisaを受け取りにくるように言われ、領事館を後にしました。


 12時に再びタクシーで託児所まで戻って、Yuを迎えに行きました。Yuは1時間半の間、とても大人しく、楽しく過ごしていたようです。泣く事もなく、外遊びも他の子どもたちといっしょに快適にしていたそうです。面倒を見てくれた保育士の方も、とってもいい子だと誉めてくれました。
 そして驚いたのが、託児料金の設定。公設の託児所である為、託児料は親の年収によって異なるとか…。Yuは1時間半の利用でしたが、端数は繰り上げの為2時間となるようです。Tkが年収を所定の書類に記入し、さていくらのなるのかと待っていると”$7”。TkもTmも耳を疑いました。「7ドル???」Yuも楽しいので帰りたがらない程の場所にも関わらず、こんな低料金で申し訳ないと感じました。施設の方が”ルールですからいいんですよ”とおっしゃって下さり。何度もお礼を言い託児所を後にしました。

 参考のために以下にDaycareの情報を記載します。Emergency Daycareをやっている託児所ではありますが、その日既に規定の人数を受け入れてしまって、空きがない場合は断られる可能性もあります。念のため。

Scadding Court Community Centre
707 Dundas Street West
Toronto, ON M5T 2W6
416-392-0335
http://www.scaddingcourt.org/


 その後、託児所の方にお礼を行って後にし、Kenjington Marketのサンドイッチ屋さんでお昼にしました。朝からの怒濤のような時間が嘘のように、ゆったりと食事を楽しむことができました。そして家に帰って、Yuはお昼寝、Tkもお昼寝をしました。Tmは、洗濯をしてくれました。1週間の滞在ですから、ホテルの洗濯機で洋服を洗う必要があるわけです。Tkはグーグー寝ていましたが。。。



 今夜はVisaの更新が(スムーズに)終る予定でいたので、予めステーキレストランに予約を入れておきました。波乱はありましたが無事に終ったので、予定通りレストランへ。都会ならではの、ちょっとお金をかけたリッチな食事をしました。
 Tmも久々にスカートをはいて、ちょっとおめかしをして行って来ました。Yuが”おかあさん、かっこいーね!"とTmの変化に驚いていました。行ってきたのは、このレストラン。

Hy's Steakhouse & Cocktail Bar
120 Adelaide Street West
Toronto, ON
(416) 364-6600
www.hyssteakhouse.com


ダウンタウンのど真ん中にあるこのレストランは、創業12年のステーキ専門店です。Tkはサーロイン、Tmはフィレ肉をほおばってきました。前回のフレンチは料理はおいしかったものの、子ども用のハイチェアがなかったり、ちょっと落ち着いて食事ができませんでしたが、今回のレストランは、ちゃんと子ども用のハイチェアもありましたし、サービスもしっかりしていて、とても良かったです。

Hy's Steakhouseの外観

中は天井も高く、重厚な感じがする店内でした。子どもを連れて入るのはちょっと勇気がいりましたが、スタッフは誰もが親切で、フレンドリーでした。子ども用のハイチェアがちゃんと用意されていると言うのは、子どもを迎える準備ができている事でもあります。


Yuはおっきーにくをばくばく食べたいと言うので、骨付きのBBQ