爽快な受身

 最近Tkは道場のスケジュールが変わったせいで、月曜日と日曜日に稽古をすることが多くなりました。日曜日はGeneralクラスで教える側になっていて、毎週メニューを考えるのを楽しんでいます。ただ、前に立って教えるだけだと自分自身の稽古への欲求が満たされないのも事実なので、月曜日の夕方にも体を動かしにいきます。月曜日はTomのクラス。Tomは日本語ぺらぺらのアメリカ人で、神戸で働いていたことがあります。合気道を始めたのは日本ではなく、アメリカに戻ってきてからだというのはちょっと面白くもあります。
 月曜日の稽古は人数が少ないこともあって回し稽古が多いので、Tkにとっても楽しめます。無心になって多人数を相手に投げ、無心になって投げられる。ひたすら受身を取るのは爽快です。
 合気道は関節を決めながら投げる技が多いので、見た目には危険ですが、受身をしっかり稽古をしていればほとんど怪我をすることはありません。
 受身を取るのも、技をかける人によって取りやすさは違います。師範クラスの先生に投げられるときは、投げられる、というより落とされる、感覚に近いように思います。かかっていったと思ったら、ストっと落とされる。気づいたら宙に浮いていて、すぐにマットをたたいています。投げられるというよりも、体がフッと浮く感覚です。
 逆にあまり上手に投げてもらえない人が相手だと、捕りの人は投げようとする意識のほうが強く働いてしまうようで、受けの体が崩れていないのに強引に投げようとするので、受けているほうは関節を痛めやすく危険度が増します。そのため、受身を取る人が一歩先を読んで受けをとることになります。体がフッと浮く感覚はなくなり、あまり爽快ではなくなってしまいます。高段者に気持ちよく投げてもらうと、受けをとっても痛くなく、それほど疲れることもないのはとても不思議です。
 いい受身を取ったことがあると、その楽しさがわかるので受身に対してある種中毒になってしまいます。そういうTkはすでにそうなんですが。

合気道では、うまく投げられると気分爽快になる」……らしい。
ventus 〜風のごとく〜 「受け身の謎(後編) 投げか受け身か?」より

経験上、これはホントです。