合気道では、大抵初段になると袴を着けるようになります。まず合気道衣(柔道着と同じような使用ですが、すこしやわらかめ、背中の継ぎ目などは無いように作られています)の上下を着て、それから袴を履きます。袴の下は柔道着のズボンのようなものが履かれているわけです。合気道を始めた人は、段を取る=袴を履くということなので、袴を履くために稽古を積んで初段を目指すのが一般的です。
 一般的と書いたのは、道場によってはより早く袴を履かせてくれるところもあるからです。合気道には一般に帯の色が白と黒しかありません。ところによっては2級以上に茶帯をつけさせるところもありますが、私が知る限り多くの道場は級は白、段は黒というところが多いです。道場によっては2級、3級で袴を履かせてくれるところもあるのですが、これについては賛否両論あるようで、人によって、別にいいんじゃね?と言う人もいれば、えー?と思う人もいる様子。袴を履いている人と稽古をして、技が「?」と思って話してみると実は3級だった、ということもあります。袴=有段者と思っているとそうではないこともあるわけです。
 アメリカで合気道をしていて感じるのは、段位をもっていることはとても尊敬の目で見られます。それだけ黒帯を取ることが大変だからです。初段を持っている人の多くはしっかり稽古をしていますし、袴を履いている人と稽古をする時は大抵は技のほうも期待できます(そうでない場合も無くはないけれど)。
 袴をいつ履くのか、誰が履くのか、は合気道の歴史的にも特に制約はないようです。所詮は着る物の話なのでドウでもいいといえばそれまでですが、世の中の多くの人は袴を目指して稽古をしている反面、段を取らずして早くして袴を履くことになった人もいて、着物がただの飾りにならなければと思います。もっともこれは有級者がはく袴だけでなく、段をとっても袴を履いていることが飾りになることも有得るので、要注意です。