体重

 病院にいくと、たいてい診察をしてくれるのはお医者さんですよね。でも、アメリカでは医者か、もしくはNurse Practitioner(臨床看護士)という職種があって、医者の代わりに彼らが診ることもあります。医者がいないときや、忙しいとき、または医者が見るまでもない程度のことに関してはNurse Practitionerも診察することができるのです。

 Shunが生まれてから、体重測定や健康診断はずっとNurse Practitionerがやっていました。本当は主治医の先生に直接見てもらいたいのですが、そういうシステムなので、とりあえず受け入れるしかありません。

 現時点でこのNurse Practitionerがやることいえば、乳児の体重が順調に増えているかのチェック。一日約30グラムの増量を期待しているようです。乳児は生まれてからおなかにたまった羊水が抜けると大体10%くらい体重が落ちますが、その後きちんと授乳しておかないと体重が増えません。

 乳児自身も体力がないので、はじめは疲れて寝てしまっていることが多くなりますが、そこで起こしてガッツりミルクを飲まさないと、さらに授乳する体力がつかなくなります。弱い骨格を成長させることが今の週齢では重要になってきますから、ともかく安定して母乳なりミルクなりを与える必要があります。

 それはわかります。

 でも担当になったNurse Practitionerの対応はかなり機械的でした。ただでさえ体力の落ちている状態で母親は乳児を連れて検診を受けにいっているのに、週に2度も3度もただ体重をはかりにだけこさせようとするのには結構辟易しますし、毎日30グラム増えていないと、シリンジで人工ミルクを与えるように指示するだけなので、母親が無駄に精神的に追い詰められるような印象でした。

 というわけで、すっかりこのNurse Practitionerへの信頼をなくしてしまい、先週の体重測定のためだけの検診はキャンセルしました。改めてNursePractitionerではなく、医者による検診を予約。今日は久々に主治医の先生に会いに行ってきました。

 今日の検診での主治医との会話はなんと心地よいことか。ちゃんと患者と会話のできる、信頼できる人なので、これだけでも大分印象が違います。やったことは、体重を測定して、検診をしただけなので、NursePractitionerと同じなのですが、患者の状態を把握して、双方向性の会話をした検診をしてくれるってことが、こんなに違った印象になるのかと驚くほどです。産後の母親の状態ってのは、ある種臨戦状態が続いていますから、少しでも疑問を持つような診察はキャンセルして正解でした。