大学院生のケア

 日本の大学では、大学院生が入学してから、卒業するまでの間、研究のアドバイスやメンタル面、フィジカル面の両方で第3者機関からのサポートは殆どありません。あるのは自分の指導教官とのやり取りだけ。研究科自体がどの学生がどういう扱いを受けているのかは感知していないと思います。いまだに丁稚奉公的な雰囲気があって、うまくやれるやつは残っていくし、あとは淘汰されればいいんじゃない?と無意識に思っているんじゃないかと思います。教育機関としての意識が低い指導教官に当たってしまうと、ほぼ在学中は放置になりえますし、放置しているくせにラボ内の中間報告では手厳しいコメントを投げかけるだけになってしまいます。

 大学院生が大学院に入ったら、入学から学位取得までを一貫して見守り続ける第三者機関が無いから、研究室の雑用ばかりやらされて何の指導も受けていない大学院生がいても、誰も気づかないのです。例え、気づいていてもサポート体制がそもそも無いから、どうしようもないのです。

 博士論文の審査は審査委員会で主査、副査あわせて3-4人で審査しますが、この委員会もあくまで論文を審査する段階になってようやく決まるもののようです(大学によって違うかもしれませんが)。大学院生でいる段階での中間審査や、指導教員以外からのアドバイスは殆どないし、それがされるシステムにはなっていません。

 博士を育てる土壌にはなっていないのが日本の大学院のシステムかもしれません。