アパートの自治会

今住んでいるアパートは、大学が運営する家族用のアパートです。大体250戸位の数のアパートがあるコミュニティーなのですが、大体同年代の人が住んでいて、子供も多いので、色々なイベントが企画されます。その企画を運営しているのが自治会です。この自治会員は住民が自ら応募して、大学アパートの管理責任者と面接の上でなるようです。
 日本の自治会だと、特に役員になる利点も無い、ただのボランティアになりがちです。世話好きの人や、企画好きの人などが役を押し付けられて仕方なくやっていることが多いんじゃないかと思いますが、ここのコミュニティーはちょっと違うやり方を取っています。


 自治会運営委員へのベネフィットは、家賃半額。これはかなり大きい。その代わり月に1,2回のイベント企画をしますし、ニュースレターも発行して、各戸を廻って配ります。あとは子供のイベントを毎週主催したりとかなり多忙です。委員は毎週ミーティングを開いて、結構精力的に活動しています。その分住民からの信頼も厚いですし、困ったことがあれば相談に乗ってくれます。実際、かなりの労力を使ってくれていて、雪に埋もれてしまう冬の間のアクティブティー、コミュニティーが円滑になるような企画運営には相当の時間を使ってくれています。そのおかげで小さな子供が多いこの村(ムーミン谷のような感じ)は夏も冬も楽しく過ごすことができています。
 これだけの仕事量からして、ちょっとしたパートタイムの仕事と考えたほうがいいです。実際家賃が半額になるとすると、月額300-400ドルにはなりますから、年間で4000ドル以上の収入があるのと同じ計算になりますが、それだけの労力だと納得できるものがあります。


 このアパートに引っ越してきて半年、TmはYuのためにと色んなイベントに参加していますし、彼女自身もイベントを立案企画して、自分自身で運営もしています。そんなこともあって、今年は今の運営委員に、メンバーに加わらないかと打診されました。Tmがこの環境で培ってきた信頼関係が結果としてそういうオファーをもらうことになったのだと思うと、Tkは、ただただ感心するばかりです。メンバーは6名いるのですが、それぞれが夫婦です。ここは家族連れが多いので、夫婦で協力して役割を果たすのは理にかなっていると思います。その全員から、"Tm、メンバーに加わらない?"と言われているので、今までやってきたことがかなりの印象を与えたのでしょう。


ただこの役目、なります!といえばなれるわけではなく、履歴書に推薦書、面接を経た上での採用になります。就職活動と同じプロセスを踏むわけです。自分が今までどういう風にコミュニティーに貢献してきたのか、これから何ができるのかをアピールし、面接で認められたら、今の運営チームの一員にしてもらえるわけです。


 長いこと悩んだ末に、締め切りぎりぎりに応募してみることにしました。最も問題はTmではなく、Tkのほうでした。まさかそんなオファーをもらうとは思っていもいませんでしたから、考えるのには時間を要しました。Tmは専ら一人でやる気は無く誘って下さった方々に断っていました。どれくらいTkがやる気になるか次第だったのですが、考えた末、やってみることにしました。
 実際、普段の生活を過ごすだけでなく、色んな事をやってみることで、いい経験になると思っています。一番の利点は、今のメンバーから色んな事を学べそうだということ。今は、とりあえず応募しただけですが、それも面白い経験で、英語での履歴書の作成、推薦書を頼む、などプチ就職活動の勉強になったように思います。

 もっともネックになってこともあります。それはビザでの就労制限。Jビザは基本的にビザを取得したときに申請した以外の仕事をすることができないルールになっています。この自治会が仕事になるのか、また、制限に引っかかるのかなど、まだ分りませんが、もしかしたらこのビザの制約上参加することはできないかもしれません。

 ともあれ、こういうことも、何年か住んでいるとあるものなんですね。
 
 さて、どういう展開になるのかはお楽しみに。