安全の基準の違い

 昨日はアパートの自治会がアレンジしてくれた、警察と大学のセキュリティー部門の責任者を招いたタウンホールミーティングがありました。昨年1年間でこのアパートで起きた事件は以前に比べて多く、治安に不安を感じた住民の要望にこたえる形で実現しました。警備を担当する大学のセキュリティー部門はどういう活動をしているのか、どういう状況でどういう行動をしたらいいのか、治安を守るためには何を気をつければいいのかなど、基本的なことから緊急の場合の行動まで話し合う機会です。

 昨年は、空き巣が3件、車の窃盗も2件ほどありました。そのほかにも不審者が数回ウロウロしていて、家の中を覗き込んだりしていることもあり、警察が来てしょっ引いていったこともあります。一度は我が家の裏庭を銃をもった二人組の強盗が駆け抜けていったこともあります。ほぼ一日家にいるTmとYuはいつもどこかに不安を持ちながら暮らしていますし、Tk自身、一体このアパートはどうなっているんだ?といつも思っていたところだったので、参加してきました。

 残念ながら参加者はとても少なく、辛うじて自治会の運営委員と、Tk,他二人の住民だけの参加でした。事件があってから会が開かれるまで2ヶ月以上経っているし、他の人たちは直接被害を受けたわけではないので、たぶん深刻に受け止めていないのでしょう。

 参加人数が10人ほどで、あとは地元警察の警察官が二人、セキュリティーのトップらしき人が一人だったので、逆に時間をかけて聞きたいことが聞けました。

 分ったのは、治安に対する認識が大きく違うということ。日本から来ている我が家と、アメリカで育った人たちでは"安全"の基準が大きく違います。Tkの認識では1度でも銃を持った人が家のすぐ前を駆け抜けていくような事態は異常です。それ以外にも何度も空き巣があったり不審者を見ているので、Tkの認識ではここは安全とはいえません。アメリカ人にしてみれば、他の地域に比べればここは殺人も起きないし、銃の発砲も無い、空き巣はあるけど年に高々数回しかないし、基本的にこの地域は信じられないくらい安全なんだそうです。

 だから、セキュリティー関係者ものんびりしたもの。彼らの感覚が理解しがたいTkの違和感を伝えると、理解は示してくれたものの、違いは歴然としていました。

 セキュリティーが言うには、事件が多く起こってからパトロールの回数を増やしたそうなんですが、実際のところは殆ど巡回に来ているセキュリティーは見ないし、来ても通り過ぎるだけ。あまりに粗雑な対応なのでTkは少し切れ気味に追求すると、改善するといってくれました。彼らができることはせいぜいそのくらい。

 実は地域の治安を良くする方法って即効性がある方法は殆ど無いんですね。警備関係者がパトロールをして、住民に注意喚起すると同時に不審者に圧力をかけること。ここはセキュリティーに守られている事を常に知らせておくくらいしかできません。住民ができることといえば、不審者を見たらセキュリティを呼ぶこと。結局それに尽きるようです。

 できれば監視カメラを設置したり、非常用の電話を設置したりしてほしいのですが、そこは予算との相談です。