冷却効率が悪いのは

 いつもは冷却材で冷やしていた原子炉を、今回は海水(塩水)を使って冷やしていますが、いまだに真水に切り替えていないんだそうです。原子炉の冷えが悪いのは、塩が結晶化して燃料棒を覆ってしまうために冷却効率が悪いんじゃないかというNYタイムズの記事を転載しているニュース。NYタイムズの記事が載る以前に、原子力の専門家にとっては自明のことなんでしょうけど、言われてみりゃその通りです。原子炉については誰が仕切ってるんだろう??

福島原発、海水が冷却妨げる恐れ 米紙NYタイムズ指摘
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032401000852.html
 【ワシントン共同】福島第1原発事故で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は23日、専門家の話として原子炉の冷却のために使っている海水が、逆に冷却を妨げている可能性があると指摘した。

 同原発では、津波による停電で冷却機能を失った原子炉を冷やすため、ポンプを使って海水を注入している。

 しかし、同原発の原子炉を開発した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社で建設当時、同原発と同じ沸騰水型軽水炉の安全性を研究していた専門家は、原子炉内で海水中の塩が結晶となって燃料棒を殻のように覆っている恐れがあると指摘。

 塩の結晶に覆われれば燃料棒の周りの海水の循環が悪くなり、効率良く冷やすのが難しくなるほか、熱によって燃料棒を覆っている金属が破れて放射性物質が漏れ出す恐れもある。

 最悪の場合は熱の蓄積によってウラン燃料が完全に溶けて、より多くの放射性物質が出る危険もあるという。

 この専門家は海水注入による1号機の塩の蓄積量は26トン、2、3号機はそれぞれ44トンに上ると試算している。

 沸騰水型軽水炉に詳しい世界の専門家らは同じことを心配しており、早く海水の代わりに真水を使うよう日本に伝えようとしているという。