むしろ不思議で仕方が無い東電

 怒りを通り越して、不思議で仕方がありません。女川の原子炉や、東海村の原子炉では津波の高さを想定して電源装置に壁を作ったり、海抜の高いところに建設したりと、明らかに地震津波を意識しているのに、福島第一原発ではなんの準備もしていなかったのはなぜなんでしょう。同じ東京電力原子力発電所の間でこれだけ準備に差があったのはなんでなんでしょうね。あっちの原発では防波堤がしっかりしているのに、こっちの原発津波に対して丸裸なのは、防災対策としては完全に抜けています。津波が着たら、同じ太平洋側であれば、どこの原発が被害を受けてもおかしくないのに。

 福島第一原発では、海岸のほぼ岸壁に設置されていた冷却装置には防御壁も無く、津波に襲って下さいといわんばかりの状態だったそうです。共産党の国会議員が以前に地震津波が起こって冷却系が働かなくなる危険性を指摘していたり、市民団体が同様のことを質問状として出していたりと、材料はたくさんあったのにもかかわらず、なーーーんにもしていなかったのは、なにかおかしかったとしか言いようがありません。
 それでいて去年の10月に今回と同じ状況を想定した"専門家"の警告があったのに、それも無視して電源喪失対策を検討していなかったのはどうしてなのか、それを知りたいものです。誰もそれについて突っ込まないのも不思議です。

電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず
 東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。
 東電は報告書の内容を知りながら、電源喪失対策を検討していなかったことを認めている。
 国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定し、地震の想定規模を引き上げた。これを受け、国の委託で原発の安全研究に取り組む基盤機構が、09年度から様々な地震被害を想定した研究を始めた。
 1970年前後に開発された、2、3号機の型の沸騰水型原発(出力80万キロ・ワット)については、地震電源喪失した場合、原子炉内の温度や水位、圧力などがどう変化するかを計算した。
 その結果、3時間40分後には圧力容器内の圧力が上がって容器が破損し、炉心の核燃料棒も損傷。格納容器も高圧に耐えきれず、6時間50分後に破損して、燃料棒から溶け出した放射性物質が外部へ漏れるとした。
(2011年4月4日03時08分 読売新聞)