神経細胞を膵臓へ?

これは面白い。自分のからだから神経細胞を取り出して培養し、それを膵臓へ移植すると、インスリンを分泌し始めるようです。鼻腔内から細胞をとりだし、って書いてあるけれど、どうやって神経細胞を取り出すのかが疑問です。いろいろ疑問もあるけれど、この手法が確実になれば、糖尿病の画期的な治療法用ってことになります。

しかし、神経細胞膵臓にあるってのは不思議な感じがします。

鼻の細胞移植で糖尿病改善 産業技術総合研究所 副作用なし
産経新聞 10月7日(金)9時48分配信
 産業技術総合研究所茨城県つくば市)は患者自身の鼻腔内から採取した細胞を用いて糖尿病を治療する技術を開発し、7日、英国の学術誌「EMBOモレキュラーメディシン」電子版で発表した。自己の細胞を使うため副作用がなく、糖尿病の早期治療や移植手術のためのドナー不足の解消が期待される。
 糖尿病は膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンというホルモンの分泌が不足し、血糖値が病的に高くなる。患者は増加傾向にあり予備軍を含めると国内で1千万〜2千万人に及ぶという。
 患者の多くが網膜症や腎症などの合併症を併発するため、根本的な治療法の確立が求められている。治療法としては他人の膵臓組織の移植があるが、適合性の問題やドナー不足、高額な医療費などが問題となる。
 研究グループはインスリンを産生するために必要な遺伝子が膵臓と脳の神経系で共通することを発見。ラットの脳内や鼻腔内から神経幹細胞を取り出し、培養した上で糖尿病ラットの膵臓に移植した。
 すると、約230あった血糖値は約2カ月後には半分以下のほぼ正常値となり、3カ月以上持続。移植した神経幹細胞を除去すると血糖値は再び上昇した。
 これは、糖尿病ラットに移植した神経幹細胞が移植した膵臓内でインスリンを産生し、糖尿病の病態が改善したことを示すという。
 移植は自身の細胞のためドナー問題はなく、副作用もない。安全性が高いため重度の合併症を引き起こす前段階の予備治療としても利用できるという。 産総研幹細胞工学センターの桑原知子主任研究員は「ブタやサルなど大型で人間に近い動物で検証を進め、実用化を進めたい」と話している。