環境と仕事2

 日本の大学研究機関では、どういう部屋の配置になっていたか思い出していました。
 教授は大抵個室があって、助教授も多くの場合個室があります。助手とポスドク、学生は大抵みんな大部屋を利用するケースが多かった気がします。助教授と助手が一緒の部屋という例もありましたし、複数の助手が同じ部屋を使っていたケースもありました。あとは助教授と、その人に指導を受けている学生は一緒の部屋とか、教授でも学生と一緒の部屋でパーティションで壁だけ作って住み分けていた例もそういえばありました。以前いた研究室では大部屋をパーティションで区切って、学生一人一人に2畳ほどのスペースが分け隔てなく与えられていたラボもありました。
 総じて大部屋利用するケースが多かったように思います。逆にアメリカでは20人規模の人間が同じ大部屋を使うという考えはないのかもしれません。そのくらいの人数になると、授業をやる部屋になってしまいます。
 大部屋に学生がみんなひしめき合うのと、個室に数人ずつ分かれてオフィスを持つのと、どっちが生産性を高めてくれるのかと考えると、どちらも利点、欠点があるように思います。
 大部屋だと和気藹々とした雰囲気になりますが、個人で集中したい場合はなかなか難しくもあります。個室だと他の人とインタラクションがとりにくいもあり、特にまだ研究を始めたての人にとってはアドバイザーがすぐ近くにいるほうがいいのだと思います。経験、立場、あとは人間関係によってケースバイケースなのでしょう。
 経験を積むにつれ、自分で考え、自分で解決する能力が身についていくわけですから、同じ部屋にたくさん人がいるよりも一人で仕事ができるような状況に身をおいたほうが生産性が高まるのだと思います。