主治医を決める

 アメリカでは、基本的に主治医(PCP Primary Care Physician)を決めなくてはなりません。主治医を決めておかないと保険がかかった医療を受けることができないからです。保険のプランによりますが、掛かりつけ医をしていするプランを選ぶ場合、医療保険を申し込む際、申し込みの書類に主治医を記載する場所があります。

 これはなぜかと言うと、医療保険会社は、自分の保険会社と提携している医者や病院で行われた診察や治療に対してはお金を支払いますが、そうでない医者にかかった場合は保険適用対象とならないからです。ですから、契約書であらかじめ指定した主治医の診察ならば、保険が適用されます。

 主治医は幅広い知識を持っていて、大体のことは診てくれますが、専門医(眼科や外科、皮膚科など)の診察が必要と判断した場合、主治医に紹介状を書いてもらって診察を受けます。これをreferralといって、必ず主治医を通して診察を受ける保険を、referral planと呼びます。主治医をあらかじめ指令せず、どの医者に見てもらっても保険が適用されるプランのことをnon-referral planといい、こちらは保険料がreferral planに比べて高めになります。
 この主治医制度は、歯医者については全く別のようで、歯医者は主治医を決めることなく治療を受けられるようです。まだ行ったことがないので詳しいことはまだしりません。 
 医療保険は普通の病院での治療はすぐに保険適用されるのですが、歯医者についてはしばらく保険が適用されません。会社によるかもしれないのですが、私は保険に加入してから1年後から、歯医者のサービスが始まると聞いています。

子どもの主治医について
 子供には親の主治医とは別の、小児科医(pediatrician)の主治医を決めなくてはなりません。子どもは20歳くらいになるまではpediatricianが主治医になります。腕のいい、経験のある小児科医を主治医に決めましょう。

 女性の主治医についてですが、おそらく普通の病気を診る主治医と、産婦人科の主治医(OB/GYN doctor, Obstetrics and Gynecologyの略)をあらかじめ決めなくてはならないと思います。

 私が住居を決める時に気にしたことは、病院、あとは小児科も近くにあることでした。幸い、今の住居は歩いて5分で、私が働いている大学の大学病院があり、それより近いところに産婦人科と小児科が入っている医療センターがあります。さすがにここまで近いとは実際に渡米してくるまでは知りませんでしたので、偶然ですが、渡米前にgoogleで検索してだいたいの目星は付けておきました。実際にこちらに長く住んでいる、子どもがいる日本人の人に根掘り葉掘りきいて、小児科を決めました。

 ちなみに主治医を変えることは比較的簡単にできるという話です。新しい主治医を決めて、今までの主治医に電話などで連絡をして、医療情報を転送してもらい、保険会社にそれを通知すればいいらしいです。

 アメリカでの病院の選び方や、医療システムの仕組みについてはこの本が詳しく書いています。

  • アメリカで小児科にかかるとき (単行本(ソフトカバー))

ロバート・E. ハンネマン (著), 福永 玲子 (著), Robert E. Hannemann (原著)
ISBN-10: 4822408876

  • アメリカで赤ちゃんをうむとき (単行本(ソフトカバー))

デブラ・J. マデュラ (著), 福永 玲子 (著), Debra J. Madura (原著)
ISBN-10: 4822408116