決死の渡航

 アメリカに来てから出産があり、こちらの病院にお世話になったことで、医療体制のしっかりしている場所で子供の出産ができてよかったと実感しています。最近、インドで生まれた子が手足の数が多くて手術を受けた話も衝撃的でしたが、ネパールで小腸の全摘出手術を受けた人のニュースも壮絶さを感じます。治療するお金がなくても、選択肢がそれしかない以上ともかく日本に行こうと決意して渡航したご両親の覚悟はすごい。
 日本の妊婦たらい回しのニュースなどを見る限り、医療体制は問題も多くあるようですが、医療技術自体はは相当高いのだということもわかります。ネパールから、インターネットを使ってそれがわかったということは、東北大は英語のページもちゃんと出しているという事かもしれません。日本語で書かれたwebページは日本人同士なら読むことができますが、科学や医療に関しては英語でのページをつくっておかないと、折角ある高い技術や能力が必要な日本以外の国の人に伝わらりません。技術や科学の発展は、情報発信することにも重要な意味があります。

小腸全摘のネパール少女 助けを求め来日、東北大で治療 2007.10.7 18:54 産経ニュース

 9月中旬、ネパールから1人の少女が両親に伴われ来日した。少女は、現地の医師から死を宣告されていた。唯一の希望はインターネットで見つけた東北大での治療。しかし、家族には、日本の高額な医療を受けられるほど金銭の余裕はなかった。それでも「日本に行けば助けてくれる」との一念で渡航してきた。家族に頼られた医師は少女を助けようと、「基金」を設立し、寄付を募ることにした。
(中略)
  9月15日夜。小児外科の天江新太郎准教授に突然メールが届いた。「今飛行機に乗り込んだ。16日朝に到着する」。急いで成田空港へ行くと、そこには腹部から大量に腸液や便が漏れだし、車いすに座ることもできない少女と両親の姿。「とにかく日本へ行こう」。決死の渡航だった。