電話対応

 アメリカでは、どこかの会社に質問やクレームがあって電話をすると、大抵録音された案内が流れて、条件分けされます。

 "あなたが○○なら、1を押してください。△△なら2を、□□なら3を....どれにも該当しない場合は9番を押してください"

と言われ、電話をかける先によっては6番、7番まで選択肢があり、全部聞いている内に1番が何だったのか忘れてしまいます。この条件分けは1回では終わらず、1回目でどれかを選んでも大抵はさらに細分化される質問が待っています。自分がどれに該当するのか良くわからないことも少なくなく、該当外の番号を押したりすれば、次の質問はチンプンカンプン。

 例えば健康保険会社などに電話をすると、保険証のID番号を言わなければいけなかったりするので、散々この録音音声の条件分けが終わってから、

 ”あなたのID番号を口頭で言ってください”
などといわれることもあります。何かしゃべったら、音声認識機能で何を言ったか解析してくれるというシステムのようで、ID番号をしゃべれば認識してくれます(多分)。でもこのシステムは余程バカにできているのか、大抵は喋ったことの何割かが認識されません。録音音声相手に何度も何度もアルファベットと数字を読み上げるむなしさを感じるだけでしょう。

 結局、条件分けで、”どれにも該当しない”を選んで、ひたすら待っていれば、録音された音声でなく、ちゃんとした受付の人が出てくれます。

 受付の人が出てくれたからといって、スムーズに話が通じるわけではなく、こちらの要望やクレームを伝えたとしても、オペレータによって対応が違いますし、オペレータによって言うことがぜんぜん違ったりするので、これもいまいち信用できません。あとは、必要な情報を十分伝えられなかったりすることも良くあります。

 例えば、アメリカに引っ越してきてアパートに入居してしばらくした頃、電話の申し込みを(職場の)電話でしたのですが、オペレータはプランの説明と月額料金は説明してくれましたが、それ以外の説明はしませんでした。申し込みの電話を切った後で自分の電話番号を知らないことに気づき、再度オペレータに電話をしたところ、電話番号は申し込みの際に口頭で言うことになっていて、オペレータがそれを忘れたいたことがわかりました。なんといい加減な対応かとあきれてしまったことを覚えています。

 下調べした上で自分が知識を持って電話し、相手から答えをちゃんと引き出して確証を得ないと、自分が後で損をするだけです。

 後日談ですが、我が家の電話は期日になっても開通せず、全く電話ができない状態が2日ほど続きました。何度も電話をした挙句に電話配線をチェックしにに来てもらったところ、電話会社が配線をすべきところをしていなかったのが原因だということがわかり、ようやく開通しました。その後も請求書や電話をするときにノイズが乗るなど、何度となくクレームをつけて今に至ります。

 逞しくなるアメリカ生活の一面です。アメリカに住んでいる人は大抵この手の苦労は経験するようで、例外はいないようです。