Drivers License

 ようやく運転免許が取れました。これでようやくアメリカの運転免許保持者になりました。私が住んでいる州の法律はちょっと変わっていて、国際免許の期限がたとえ1年あったとしても、この州の住民になってから確か2ヶ月しか国際免許が有効ではないそうです。この州の住民なら、この州の運転免許を取得しなくてはいけない、というのが理由のようです。一人の人間が複数の国(もしくは州)から発行された運転免許を保持していることが許されないという原則に立っているそうです。実際、免許試験を受ける際に、もし日本の免許を持っていることが試験監督にわかってしまったら、日本の免許は取り上げられるらしいのです。取り上げられた免許証は保管される、ということになっているそうですが、いったん取り上げられた免許証は恐らく返ってこないのでしょう。免許を持っていかれた人のことなどまったく考慮しないアメリカらしい迷惑なルールです。
 2ヶ月しか他の国が発行した国際免許証が有効でないというルールがあるにもかかわらず、アメリカでの運転免許は渡米後2ヶ月では取れないようになっています。まず住民であることを証明する書類が複数必要で(6ポイントルール)それらを集めるのには1-2ヶ月かかります。その書類の中でもSSN(Social Security Number)をとるためには、長ければ2ヶ月近くかかる場合があります。書類を集めると筆記試験を受ける資格が得られ、筆記試験にパスすれば5時間の講習会が待っています。そして路上試験をパスして初めて免許がもらえるのです。路上試験は時期にもよりますが予約してから1ヶ月以上待たされる場合もあるので、2ヶ月以内に免許を取ることは事実上不可能ということになります。
 運転免許試験といっても、内容的にはそれほど難しいものではなく、筆記は問題集として手に入れることができる100問程度の選択問題をすべて暗記していけばその中から設問が出ますし、路上試験も5分程度車を走らせて終わり。但し、試験官は5分の試験の間に細かいところまで見ているようで、いくつかミスをすると落とされてしまいます。
 他にも日本の感覚からすると不思議なことがあります。路上試験の試験会場というのは、本当に路上なのです。住宅街の歩道に目立たない看板が立っているだけで、その場所へ自分の車で行かなくてはならないのです。もちろん、試験を受ける人は仮免許しかもっていないので一人で自分の車を運転して行ってしまうと無免許運転になってしまうため、誰か正規の免許を持っている人についてきてもらわなくてはならない。なので試験を受けに来る人は受験者と、付き添いという組み合わせで着ています。
 試験会場に行くと試験を待つ車が並んで待っていて、そこにDMV(Department of Motor Vehicle)から委託を受けた試験官がやってきます。その人の指示通りに運転すればパス。少しでも試験官の基準に達しなければ減点されてポイントを落とし、不合格。それも試験官によって基準が違うので、偶々いい試験官に当たれば合格だし、そうでなければまた試験を受けなくてはいけないという羽目になります。路上テストにパスできたら、レシートのような紙切れを渡されておしまい。試験後2-4週間後に正式な免許証が"普通郵便で"郵送されてきます。郵便事情が悪いアメリカでは、なぜか重要書類のほとんどが普通郵便で配達されます。減点が多く、路上試験に不合格となってしまったら、試験官に"もう一度受けなさい"と冷たく通告されて、スコアが書かれたやはりレシートのような紙切れ一枚手渡されておしまいです。もう一度予約を取り直して、次の試験を1ヶ月ほど待つ羽目になります。
 アメリカでは運転免許を持っていれば、基本的に身分証明になるので、お酒も買えるし、ID表示を求められた時には運転免許証を提示すればも問題ありません。簡単なようで面倒くさかった免許試験がようやく終わったので、後は免許が無事郵送されてくれば完了です。さてちゃんと届くかな?