科学技術の現場なのに結局根性論

 科学技術の極みのような原発なのに、コンビニでも帰るような簡単なゴミ袋を長靴に履いてガムテープで巻き付けただけで作業するのは、滑稽としかいいようがありません。とりあえずなんとかしてこいと言って何とかなるものでもないだろうに。作業員には本当に同情しますし、これからどうなって行くのか暗澹とした気持ちになります。

福島第1原発:「ガスマスクずれ吸った」作業の東電社員

 東京電力福島第1原子力発電所の事故処理に当たる作業員の多くが、被ばく量を測る放射線量計を携行していなかったことが分かったが、現場では実際にどのように作業が進められているのか。原発敷地内で数日間働き、自身も線量計を持たなかった東電社員の男性が毎日新聞の取材に応じ、作業実態の一端を明かした。【中川聡子、日下部聡】

性は3月中旬、上司から福島出張を打診され、「行きます」と応じた。その夜、本社に集合。幹部から「とりあえず行け。何とかしてこい」と言われ、着の身着のまま他の20〜40代の作業員数人とワンボックスカーに乗った。

 自衛隊や消防も待機場所とする福島県楢葉町の運動施設でいったん待機し、現場の放射線量が下がったことを確認して原発へ。顔全体を覆うマスク、ゴム手袋、長靴のほか、普通の作業服の上にガーゼのような白い布製の上下を着た。「きちんとした防護服は恐らく早い段階で切らして足りない状態になっていた」。さらに「長靴の上にもビニール製の防護をつけるべきだが、自分たちはコンビニでも買えるような簡単なゴミ袋のようなものを長靴の上にはいて、ガムテープで巻き付けただけだった」という

本部との連絡手段は携帯電話1台だけ。とはいえ本部も混乱しているため、指示を受けたり報告したりしている余裕はない。「現場で判断しろ、ということだった」。