年金は、もらえないんだろうと確信する

 もう70歳を超える財務大臣が、年金受給年齢を引き延ばすつもりのようですね。今や人生90歳の時代だからなんだとか。毎月年金払っていますが、自分が65歳になる頃には、おそらく受給年齢も上がっているんでしょうね。そしてもらえる額も生きて行ける額ではないのでしょう。今ですら国民年金の受給額は月額6万円程なんだそうですから。

「人生90年時代 年金支給年齢引き上げも」 与謝野氏

2011年1月21日21時15分

  消費増税社会保障の一体改革を担当する与謝野馨経済財政相は21日、年金について「人生90年と考えた場合、定年延長と同時に支給開始年齢を引き上げることも考えられる」と述べ、支給年齢を遅らせる検討を始める考えを示した。現在は段階的に65歳まで引き上げられているが、中長期的な課題として、さらなる引き上げを視野に入れる。

 この日の新成長戦略実現会議で表明した。年金は社会保障給付費のうち半分を占め、2010年度予算で53兆円が支給にかかっている。少子高齢化に伴い年金財政が悪化する恐れもあるため、支給を遅らせ、高齢者を支え手に回すことで費用を抑える狙いがある。与謝野氏は「高齢でも元気な人は多い。長寿社会にふさわしく、慣行を見直すべきだ」と指摘。長く働けるよう、定年延長や老後の働く場の確保を企業側に求めていく必要性に言及した。
http://www.asahi.com/politics/update/0121/TKY201101210498.html

 与謝野さんが年金受給年齢を上げるつもりという話をした所で感じた事は二つ。一つは、すでに年金をもらっている年齢の人にこれからの年金改革のことを話されても、ちっとも期待感をもてないと言う事。今の若い世代が自分の将来に対する悲壮感は彼らにはわからないでしょうから。今働いている世代は、年金を払っている人も払っていない人も、自分が年金をマトモにもらえると信じている人はほとんどいないんじゃないでしょうか。年金のずさんな管理が明らかになって以降、何かよくなったかといえば、本質的には何も変わっていないと感じています。

 二つ目は、年金改革の話をする人は、年金のシステムの根本の話はしないってこと。今の年金システムを生きながらえさせつつ、徐々に今のひどい状態を、以前のもうちょっとましな状態に戻していくための、改革をしようとしている気がします。年金の受給額がなぜ6万円なのか、年金の受給年齢がなんで60歳だったのか、そしていまなぜ65歳になってさらに上がって行くのか。年金の財源を保険料方式にしているのはなぜか、どこが良いのか。他のシステムはないのか。そういう視点からの改革は見えて来ません。

河野太郎ブログごまめの歯ぎしり
税方式の主張
2011年1月21日 23:58

すべての日本国民に最低限の年金を保証する制度の財源負担方法としては、私は保険料方式よりも消費税方式のほうが優れていると思います。

現在の保険料方式の年金制度では、保険料を集めるための莫大なコストを負担しなければなりません。例えば、保険料の徴収に関わる七千人の職員の人件費が約六百五十億円かかっています。保険料を集めるのをやめて、消費税方式に切り替えれば、この人件費負担は必要なくなります。消費税は、国税庁と税務署のシステムで既に集めていますから、消費税を財源にして年金をお支払いすることにしても、今以上にコストはかかりません。

自営業者と結婚した女性は毎月、国民年金保険料を支払わなければならないのに、サラリーマンと結婚した女性は年金保険料の支払いが必要ないという現在の制度の矛盾も、消費税方式にすれば解決します。

こうしたことを考えれば、私は一刻も早く、国民年金を消費税方式に切り替えて、すべての日本人が六五歳になったら必ず満額の国民年金を支払うことができるようにすべきだと思います。

http://www.taro.org/2011/01/post-897.php
http://www.taro.org/2011/01/post-898.php

 河野太郎さんのブログでは、年金システムについて面白い提案がされています。彼は今の年金がなぜ現行のシステムなのかを解説したあと、年金の財源を保険料方式から税方式へ転換すべきと主張しています。税方式にした場合のいい点、悪い点についてはいくつか疑問は残るものの、こういう説明は初めて聞きました。

 ただ、この税方式の年金システム、以前から主張されてはいるようで、たぶん一般的な意見なのかも知れません。
http://www.kokumin-nenkin.com/colum/8.html

 とはいえ、この老年と壮年のこの二人の議員、根本的に取り組み方が違うようです。