ウケルかどうかが大事な仕分け修正

 探査機はやぶさのカプセルが無事回収されたようですね。表に出てこない、色んな創意工夫があってここまでできたのでしょう。

 ところで、科学技術関連の予算は大幅に削られていますが、この快挙で見直しを始めるようですね。しかし釈然としないものがあります。
 結果として素人でも分るようなインパクトのある結果があったから、仕分けの結果を変える気になったとしか取れません。逆に、はやぶさのカプセルが回収できなかったらこんな話もきっと出てこなかったでしょう。なんだか後手に廻っている予算の見直しという印象が強く、そもそもどういう思想で日本の科学の道筋を立てていこうとしているのか全く見えてきません。目新しいものだけにスポットを当てて、政治家の実績にしていっているだけのように思えます。話題になりそうなもの、ウケそうなものには予算を当てているともいえます。

 仕分けにしたって、何の思想もなく適当に予算を切っていたから、17億円が3千万円まで減らされたんでしょうね。中身については何の検討もせず、というか検討できるだけの知識も議論もなく、予算を可能な限り減らしたんだろうなぁ。宇宙事業は、3千万円では何もできないでしょうね。

 仕分けされるべきものも沢山あるはずですが、予算を組む側も、仕分けをする側にも、ヴィジョンがないのは明らかなように思います。

はやぶさ」人気で宇宙予算再検討 仕分け軌道修正 (1/2ページ)
2010.6.15 23:02
記者会見する蓮舫行政刷新相=15日夜、内閣府記者会見する蓮舫行政刷新相=15日夜、内閣府

 7年間の宇宙の旅を経て13日に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」について、蓮舫行政刷新担当相は15日の記者会見で、はやぶさ後継機を含む宇宙開発予算の削減を求めた昨年11月の事業仕分け判定を再検討する考えを示した。あまりの“はやぶさ人気”に配慮した形だが、蓮舫行政刷新相は仕分け人として知られる。識者からは「成果だけをみて見直しとは…」と、科学技術全般への姿勢を問う声が上がっている。

 蓮舫行政刷新相は会見で、宇宙開発予算の仕分けについて、「何が何でも守るべきものではない。いま一度、議論の流れを確認している」と述べた。

 はやぶさの後継機となる「はやぶさ2(仮称)」の開発は、文部科学省が平成22年度予算で約17億円を概算要求したが、民主党への政権交代に伴う歳出見直しで5000万円に減額。さらに、昨年11月の事業仕分けで3000万円にまで縮減された。

 しかし、はやぶさが幾多のトラブルを乗り越え、帰還の途に着くと、けなげな姿に全国で人気が沸騰。はやぶさは13日に無事帰還し、自身は燃え尽きながらもオーストラリア南部に小惑星イトカワ」の土壌が含まれる可能性があるカプセルを投下し、回収された。


http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100615/stt1006152312009-n1.htm