説明10分、質疑10分で50億円?

 この2700億円の研究費案、最先端研究を推進する為の予算で、一つの研究グループ辺り50億円近い予算がつくそうですが、最先端かどうかを判断するのは門外漢の人で、しかもヒアリングは説明10分、質疑10分なんだそうです。完全にやりかたが間違っていると思います。こんな使い方よりも、若手研究者ののポジションや、研究費に割り当てて欲しかった。民主党政権が凍結して、もっと有用な予算を付けることを期待しています。
 こういう状況を見ると、科学者ソサエティーにももっと政府に働きかけられるような仕組みがひつようだと感じます。

最先端研究開発支援:2700億円基金、対象に山中教授ら 民主「凍結も」
 ◇「拙速」に批判
 政府は4日、「世界トップ」の研究者に総額2700億円の研究費を分配する「最先端研究開発支援プログラム」の対象者30人を発表した。1件あたり3〜5年間で30億〜150億円が助成される。プログラムは民主党が見直しを進めている46の基金の一つ。政権交代に伴い今後、凍結を含めプログラム内容が変わる可能性もある。
 対象研究者には、ノーベル賞受賞者田中耕一島津製作所フェロー、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授ら国内の著名研究者が名を連ねた。
 プログラムは、緊急経済対策を主眼とした09年度補正予算に盛り込まれた施策で、565件の応募があった。日本経団連の産業技術委員会が4月にまとめた提言がベースになったとされる。麻生太郎首相は当初から「(配分先は)自分が決める」と在任中の選定に意欲を見せ、約1カ月半の間に10回も会議が開かれるなど急ピッチで審査が進んだ。審査した委員からは「金額が大きいだけに、もっと時間をかけるべきだ」との意見も出たが、事務局の内閣府は「選定に時間をかければ、研究をする期間が短くなる」と押し切った。
 落選した基礎科学系のある研究者は「ヒアリングは説明10分、質疑10分。これで何が判断できるのか。今決める必要はなく、拙速に過ぎる」と疑問を呈した。
 一方、民主党補正予算の執行を一部停止する方針を打ち出している。岡田克也幹事長は4日の記者会見で「この時期に決まることに違和感を覚えないわけではない。場合によっては凍結することは当然ある」と含みを持たせた。
 採択された研究者からは不安も漏れる。ある工学系の研究者は「鳩山由紀夫代表は工学系出身で科学技術にも理解があり、このまま採用されることを期待したい」と話した。
 科学技術政策に詳しい角南篤・政策研究大学院大准教授は「若い研究者ら『将来の芽』にもう少しお金が回るよう、制度設計にもっと時間をかけるべきだった。民主党基金の設置法案には賛成しており、配分先が決まったものを凍結するのは難しいだろう。新政権は早く態勢を整え、金額や運用方法などを柔軟に検討してほしい」と注文をつけた。【奧野敦史、西川拓、河内敏康】
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/09/05/20090905ddm002040050000c.html