フェアじゃねぇ

 研究資金獲得のために身を粉にして働いている研究者にとっては、ガックリするニュースだと思います。でもきっとこういうことが明るみに出たということは、多分この1件だけでなく、日常的に役人が介入して審査を操作してきた歴史があるのでしょう。審査基準、誰がどのように判定したのか、何を基準にしてどういう理由で採用、不採用したのかを公表すればフェアなんですが。
 研究者でもなんでもない役人がどれだけの知識を持って判断したのでしょう。この手の研究費応募の背景は、どれだけの現場の研究者の思考と情熱を費やされた仕事があるのかなんて想像もつかないのでしょうね。圧力をかけた役人も、採用された側も、加点した人も本人が出て説明してほしいもんです。

http://www3.nhk.or.jp/news/t10014853021000.html#
厚生労働省が募集した科学研究費助成金の審査で、担当の職員が、治療が難しい子どもの病気の研究について、点数を水増しするよう審査員に依頼していたことがわかり、審査がやり直されることになりました。

点数の水増しを依頼したのは、厚生労働省の研究開発振興課の職員です。厚生労働省によりますと、この職員は、平成21年度の科学研究費助成金に応募してきた治療が難しい子どもの病気の研究について、点数を水増しするよう審査員に依頼したということです。複数の審査員が依頼に応じた結果、当初の集計では10点満点で5.6点と17件の応募のうち10番目だったのが、5.9点に上がって書類審査を合格し、18日に行われた面接審査で採用が内定したということです。この研究は、幼いころから発熱を繰り返す病気の治療で新しい薬の効果や安全性を確かめるもので、研究に協力する患者の治療費は助成金で賄う仕組みです。厚生労働省の調査に対し、水増しを依頼をした職員は「日ごろ患者団体から要望も受けていたので、なんとか通してあげたいという思いだった」と話しているということです。厚生労働省は「審査の公平性や透明性から、あってはならないことだ」として、今回の内定を取り消し、17件の審査をやり直すことを決めました。