自称科学技術立国の体たらく

 日本は科学技術立国だといいますが、こういう判断を聞くととてもそんな気はしません。結局人海戦術でしか解決できない原発の処理を人柱を立ててやらざるを得ない状況で、いかにそれを合法的にやるかを考えているだけのような気がします。他に方法がないのかもしれませんが、もうちょっと科学と技術を結集してやる方法はないのか、上限線量を上げたり撤廃するような、騙し倒すようなやり方でなく、誰もが納得できるような目の醒めるようなやり方を考えられないのか不思議で仕方がありません。もっと合理的なシステムにすることができるのなら科学技術立国と胸を張って言えるのでしょうが、これじゃあ日本もたいしたことがないと思いざるを得ません。もっとも日本がもっと合理的に物事が運ぶ国だったら、こんな事故は起こらなかっただろうし、原子力に頼り続ける国ではなかったかもしれません。残念。

<福島第1原発>作業員被ばく線量 「年50ミリ」上限撤廃
2011年5月30日 00時14分 (2011年5月30日 01時55分 更新)

 厚生労働省が、東京電力福島第1原発事故の復旧作業に携わる作業員に限り、年間50ミリシーベルトとしている被ばく線量の上限を撤廃することを決め、日本労働組合総連合会(連合)に文書で示していたことが分かった。定期検査時など通常の被ばく線量と合算し5年間で100ミリシーベルトの上限は維持する。現行のままでは、福島で作業後に他の原発の定検作業ができない可能性があるためだが、専門家からは作業員の安全を懸念する声も出ている。

 厚労省は、積算で100ミリシーベルトとしていた緊急時の被ばく線量の上限を、福島の復旧作業に限り250ミリシーベルトに引き上げた。

 一方、通常時の被ばく線量は年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトと変えていなかったが、他の原発の定検時と合算するかどうかは明確にしていなかった。4月28日の通達で、合算して5年間で100ミリシーベルトを超えない▽復旧作業に従事しない作業員は年間50ミリシーベルトの上限を維持−−としていた。
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20110530/Mainichi_20110530k0000m040136000c.html