人が死ぬまでは放置する国

 罰則についての要望は受けていても、大きな食中毒事件が起こっていなかったから放置していた厚生労働省は、人がしんでやっと重い腰を上げるようです。問題を放置していた厚生労働省に対してはペナルティは科さないんでしょうか?問題を放置していた罪は重いと思うのだけど。なんで国や役所の対応はいつも人が死ぬまで放置するのでしょうね。原発の問題だって、ユッケの問題だって、根本は一緒のような気がします。

<生肉食中毒>都道府県側の罰則要請02年から…厚労省放置
毎日新聞 5月12日(木)15時4分配信
 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を機に批判が高まっている厚生労働省の生食用食肉の衛生基準について、都道府県などの担当課長で構成する「全国食品衛生主管課長連絡協議会」が02年以降毎年、罰則を適用できる基準に改めるよう同省に要望していたことが分かった。4人の死者が出るまで国が動かなかったことについて、基準の形骸化を懸念してきた自治体担当者からは「遅すぎる」との声が上がっている。

 現行の基準は生食用食肉を提供する際に外側の肉を削るトリミングをすることや、温度管理の徹底などを定めたもの。96年に病原性大腸菌O157による集団食中毒が全国で相次ぎ、一部の患者の原因食品が牛の生レバーと判明したことから、再発防止のため98年9月に策定された。しかし法的拘束力のない「努力目標」のため周知は不十分で、業者は食中毒を起こしたり肉の汚染が判明しなければ行政処分などの対象にならなかった。

 食品衛生施策の向上や情報交換を目的にした同協議会は02年、食品衛生法に基づき罰則が適用できる基準にするよう文書で要望。その後も病原性大腸菌による食中毒は毎年10〜30件ペースで発生し、昨年は要望項目のトップに食中毒防止策を挙げていた。事務局の東京都食品監視課は「命にかかわる問題なのに、努力目標では不十分。国にはもっと早く動いてほしかった」と話す。

 厚労省基準審査課は「要望を受けても、これまで生肉を原因とする大きな食中毒事件は起こっていなかった。限られた人数で政策課題に取り組む中、政策の優先順位は上がらなかった。ただし、生肉を食べないでという啓発はしていた」。同省監視安全課は「基準策定後間もなく法的拘束力を持たせる方針だったが、01年の省庁再編による組織再編でリセットされてしまった。事件は大変残念だが、罰則があれば防げたかどうかは分からない」と釈明する。【石川隆宣】