カリフォルニア州サクラメント市

原発を住民投票で即時停止したカリフォルニア州サクラメント市の取り組み。 

原発はなくてはならない存在なのか?いますぐとは言わないまでも、中長期的に、原発なしの日本を作ることは出来ないのか?そんなことを考えます。

カリフォルニア州サクラメント市。

皆さんはご存じですか?実は、カリフォルニア州の州都。カリフォルニア州北部の中心で、サンフランシスコから北東に約145キロの場所に位置します。

ゴールドラッシュで発展し、市内は、緑にあふれ「つばきの都」として知られているのだとか。「つばき」の縁で、愛媛県松山市姉妹都市となっています。(共に市花がつばき)

このサクラメント市から南東25マイル(約40km)の所にあるのが、ランチョセコ原子力発電所。1974年に完成しました。バブコック・アンド・ウィルコックス(B&W)社製、電気出力91.3万kW、加圧水型炉(PWR)。所有・運転者:サクラメント市営電力局(SMUD)

この発電所は、運転開始当初から大きなトラブルに見舞われました。そしてついに運転継続をめぐり、1989年6月6日、住民投票が行われたのです。結果は、発電所の即時停止。(1986年4月に発生したチェルノブイル原子力発電所の事故も投票に大きな影響)

その電力を補うために、市、市営電力局(電力公社と訳している場合も)そして市民は、様々な取り組みを行いました。サクラメント市営電力局(SMUD)は、原子力発電では無理だった、需要の応じ細かく電力をコントロールして供給するようになりました。

日本ではエコポイントがこの3月31日に終わりましたが、サクラメントでは、それに先んじて、古いエアコン、冷蔵庫を省電力製品にするための普及・開発キャンペーンを実施。消費者にも勧めました。(低所得者には無償で交換)また省電力に協力してくれた消費者に対する還元サービスも。またアメリカのオフィス、家庭で盛んに使われている白熱灯を、蛍光灯に大量に切り替え。

温度分布を検知できる赤外線カメラを積んだヘリコプターを市の上空に飛ばし、各建物の温度分布を調べました。熱が大きく漏れている所は、改善を要求。熱漏れを防ぐために目張り、断熱材、二重窓などの措置を促しました。自然エネルギーを推進、風力発電太陽熱温水器、またピーク時の電力消費を減らすため太陽光発電導入を奨励し、補助もだしたのです。

さらに「緑のカーテン」を作るため家庭、街の植樹も行い、ヒートアイランド現象を抑制し、消費量が最高となる、夏の昼のピーク消費電力を少なくしたのです。

日本でも、こうしたサクラメント市の取り組みを参考にすれば、原発に頼らない社会作りが出来そうに思えるのですが……。