自分の身近に近づくと拒絶する

 被害が対岸の火事でいるうちは(そう思い込んでいるうちは)カワイソウカワイソウと言っておきながら、実際に自分の身近にその対象が近づいてくると、拒絶する。これが日本なんだなとつくづく思います。日本特有のものじゃないかもしれないけれど、たぶんそういう傾向は日本は強い。これは露骨に避けた子供よりも、親の責任が大きいと思う。せめて、自分達や自分の子供にはこういう事をさせないようにしようと思いました。川崎市でも、被災地の瓦礫の焼却処理を受け入れようとしたら、市民から苦情が殺到したとか。じゃあ、他にどこでやれるんだというと、そこは気にしない。どこかで誰かが負担しているのはいいけれど、自分に降りかかるのは微塵も受け入れない。人間らしいといえばそうですが、情けなくなります。

東日本大震災:「放射能怖い」福島からの避難児童に偏見
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110414k0000m040137000c.html
 原発事故で被ばくを恐れ福島県から避難してきた子供が「放射能怖い」と偏見を持たれるケースがあるとして、千葉県船橋市教委が全市立小中学校長らに配慮するよう異例の指導を行っていたことが分かった。福島県南相馬市から船橋市へ避難した小学生の兄弟の事例では、公園で遊んでいると地元の子供から露骨に避けられたという。兄弟は深く傷つき、両親らは別の場所へ再び避難した。大震災から1カ月たつが、福島第1原発の深刻な事態が収まる見通しは立っていない。知識の欠如に基づく差別や偏見が広がることを専門家は懸念している。【味澤由妃】

 南相馬市の小学生の兄弟のケースは、避難者の受け入れ活動に熱心な船橋市議の一人が把握し、市教委に指摘した。市議によると兄弟は小5と小1で、両親と祖父母の6人で震災直後船橋市内の親類宅に身を寄せ、4月に市内の小学校に転校、入学する予定だった。

 兄弟は3月中旬、市内の公園で遊んでいると、方言を耳にした地元の子供たちから「どこから来たの?」と聞かれた。兄弟が「福島から」と答えると、みな「放射線がうつる」「わー」と叫び、逃げていった。兄弟は泣きながら親類宅に戻り、両親らは相談。「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と考え、福島市へ再び避難した。