なぜ人災じゃないと思うのか

 どんなことでも反対の立場からの意見はあるはずだし、いろんな意見を聞きたいけれど、どうも納得のできない意見もあります。この、経団連会長は、一貫して東電は悪くないという意見のようです。悪いのは国の基準だと。国の基準が甘かったのは同意できるし、原子力政策とシステム自体がゆがんでいるのは分りましたが、東電に問題が無いという意見には同意できない。

 今回の津波による事故、想定外の規模の津波だったために事故がおきたと東電をはじめとして説明してきていますが、客観的に見て東電の準備不足が要因と考えるのが妥当な気がします。事故が起こったあと、東電サイドの意見として、電力を享受しているくせに、電力会社の所為にするのはおかしいというような意見もありましたが、それは事故を引き起こした言い訳にはなりません。今までいろんな警告がされていたのに、一向にアクションを起こさなかったのは東京電力自身ですし、想定外だという今回の事態も、想定されていたこともわかっています。

 それでも東電には問題ないと言い切れるのは、今後の日本経済が落ち込まないようにと考えてのことなんでしょうか。だとしたら、それでいいのか?

経団連会長、原発事故「甘かったのは国の安全基準」
2011/4/11 16:19
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381949EE3E3E2EB9C8DE3E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
 日本経団連米倉弘昌会長は11日、長引く福島第1原子力発電所の事故を巡り、東京電力の対応について「東電には頭が下がる。甘かったのは東電ではなく、国が設定した安全基準の方だ」と述べた。その上で、事故自体については「峠は越しつつある」との認識を示した。
 損害賠償などによって東電の経営不安説が流れていることに関しては「(事故原因は)天災であり、国が支援するのは当然のこと」と語った。国有化論については「全然ありえない。一部の政治家が口にしたせいでどれだけ東電の株価が下落したか」と非難した。〔日経QUICKニュース〕