とっさの判断に必要な知識

迫る津波は想定以上 「危ない」リーダー機転60人救う
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY201103230182.html
 東日本大震災津波に襲われた宮城県七ケ浜町で、自主防災組織のリーダーの機転が60人の命を救った。県の想定を超す大津波の到来をラジオで知り、指定の避難場所から住民をさらに高所に避難させ、危機を脱した。

 鈴木さんら住民は、町内に住む宮城さんの指導で避難場所を決めるなど、防災に取り組んできた。宮城さんは津波防災の研究で知られる。

高齢者の多い集落では、地震後の長い移動が難しい。だから、避難場所は県が想定する最大の3.3メートルの津波からようやく逃れられる近所の寺にした。11日の地震後、住民は寺の駐車場に集まった。

 じっとラジオに耳を澄ませていた鈴木さんは、他の地域に到達した津波が「5メートル」と知り、耳を疑った。

 「県の想定に比べて大きすぎる。これじゃ危ない」

 宮城さんと勉強してきた津波のことが頭に浮かび、急いで移動を決断。高齢者を近くの幼稚園のバスに乗せ、集まった仲間に移動を呼びかけた。30分かけて数百メートル離れた高台に60人を移した。

 「その途端、避難場所の寺が津波にのまれた」と鈴木さんは振り返る。

 津波地震について知識があったから、とっさに判断ができたんですね。ただ単に決め事として避難所の場所を決めてルールに従っただけでは、こういう判断はできなかったかもしれません。何でそこの避難所なのか、根拠と危険性を学んでいたから、60人の命を救うことができたんでしょう。