はくしょん

 大阪に住んでいたとき、近所の駅前商店街が結構好きでした。こじんまりとした商店街に、いつもおばちゃんたちが井戸端会議をしていて、細々とお店もしめることなく続いていた商店街でした。新しいタイプの店が進出してきたり、古くからあるお店が繁盛していたりしていました。雑貨屋もあれば、パンや、銭湯、魚屋、肉屋に八百屋、そういえば肉屋も八百屋は何軒もありました。面白かったのは、洋服の病院という店(正確な店名は忘れたけど)洋服の仕立て直しをしていました。和菓子屋さんもあったし、あとはさつま揚げの専門店もありました。

 そのさつま揚げ専門店は、おじさんと、おじいさんでやっている店で、いつも一人が店頭でネタを練って、もう一人が奥のほうで作業していました。お店のそばを通ると、おじいさんがネタを練っていることが多かったんですが、あるときでかいくしゃみをしていました。練っていた材料に。。。。”ハクショーィ!”って。くしゃみが収まった後も引き続き練っていましたよ。それ以降そのお店の名前は自分の中では”はくしょん”になりました。でもそこのさつま揚げはどれも美味しかったので時々買っていました。さすがにくしゃみをしていた様子を間近で見た日には買いませんでしたが。。。いまでも、懐かしく思い出します。「はくしょん」