アメリカ人小学校教師が日本の小学校で感じたこと

 昨日、アメリカ人の老教授とお昼ご飯時に話をしていたときのこと。彼の知り合い夫婦がサバティカル*1で日本に滞在していたときに疑問に思った事を話してくれました。現在のことではなく、恐らく20年位前の話だと思います。今も本質的には変わっていないと思いますが。

 その後夫婦は、旦那さんが大学教授、奥さんは小学校の先生だったのだそうです。奥さんは日本の現地の小学校にオブザーバーか臨時職員か、何らかの形で行っていたそうです。アメリカの小学校の先生ですので、日本の小学校教育に興味があったのでしょう。そこで感じが違和感が二つ。

  1. 小学校の先生は、先生同士授業の見学をしあう機会が殆どない(当時)。そして、第3者である彼女に、先生方が授業の感想をしきりに求めてくることが不思議だったそうです。恐らく、アメリカの小学校では情報交換や相互に授業見学するのは普通のことなのに対して、日本ではお互いに壁を作っているように感じたのでしょう。
  2. 授業中、子供たちは非常に統制されていて、先生に対して質問をすることが殆どない。それに対して、学校が終わった後に行く学校(塾のこと)では、より活発な授業が行われていて、子供たちも躊躇することなく質問をし、学ぶと言うことに関しては学校よりも塾のほうが効果的に行われている。老教授が言うには、これは目上の人に質問をすることが日本ではRude(失礼)に当たるからなの?と聞いてきました。

 なぜ上記のようなことが日本で起こりうるのかをアメリカ人に説明するのは結構難しいですが、説明すると興味深そうに聞いてくれました。日本人の国民性は、説明するほどに相手にネガティブな印象を与えるような気がしてちょっと自己嫌悪することもありますが。自分なら彼らにどう説明するか、考えてみると意外な発見があるかもしれません。

*1:サバティカルとは、使途に制限がない職務を離れた長期休暇のことで、長期間勤続者に対して付与され、少なくとも1ヵ月以上、長い場合は1年間となることもある。6日間働いた後、7日目は安息日とする旧約聖書ラテン語 "sabbaticus" (安息日)に由来する。

伝統的には大学教員に多く採られている制度で、研究休暇制度などの呼称もある。また、研究者、牧師、小説家、漫画家、音楽家、スポーツ選手などがしばしばサバティカルを使い、長期研究調査や執筆などの目標達成、あるいは休息する充電期間として用いる。

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の理念などを踏まえ、ヨーロッパを中心に企業でも取り入れるところが出てきており、例えばイギリスでは20%の企業がキャリア・ブレーク制度を有し、10%がその導入を検討しているとした調査結果もあるが、日本企業での導入例はまだ少ない。