チャイルドシートを普及させるには
解決方法は簡単。道交法でもっとバンバン取り締まればいいのです。乱暴な言い方のようですが、チャイルドシートを普及させることが結果として子供の命を守るのですから、あいまいな運用をしている間はないと思います。
日本ではまだまだチャイルドシートに子供を座らせることは、子供を苦しめるだけだと勘違いしている人が多いですが、それは、大人用のシートベルトが普及し始めた頃にあった古い認識と同じです。
シートベルトの普及の際と同じように、道路交通法で普通に取り締まればいいだけです。
現状でもう一つ手落ちだと思うことがあります。チャイルドシートそのものはあっても、正しい付け方、コツがわからないから、敬遠されるのだと思いますから、もう一つ、別なサイドからのバックアップも必要です。
どうやってチャイルドシートをつければいいのかは、案外説明書を読んだだけでは分らないものです。子供の首に対するベルトの高さ、どのくらいベルトをきつくしなくてはならないのかなど、実際に経験がある人なら簡単に教えられることは沢山あります。こういった、チャイルドシートの正しい付け方を、警察が実地でレクチャーするサービスをするべきだと思います。どの警察署でも、立ち寄ったときにチャイルドシート装着レクチャーを手軽に受けられるようにすれば、親の試行錯誤で間違った付け方をしなくて済みます。
この両面からのバックアップがチャイルドシートの普及には不可欠だと思います。
ちなみにこの両方とも、アメリカで実際に使われている方法です。
乳幼児を自動車に乗せる際に着用が義務づけられているチャイルドシートについて「子どもが泣く」「同乗者が抱いてくれる」などを理由に、6割の保護者が使用していないことが13日、ベビー用品メーカーの調査で分かった。
2000年に義務化されて10年、定着していない現状が浮き彫りになった。
「アップリカ・チルドレンズプロダクツ」(大阪市)が6月、3歳未満児がおり、チャイルドシートを持つ保護者600人にインターネットで調査。「必ず使用するか」と尋ねると、「いいえ」が60・3%を占めた。
理由は「子どもが激しく泣く」が32・7%でトップ。「嫌がる」「同乗者が抱いてくれるから」が続いた。
子どもが危険に遭いかねない使用例も目立った。首が座らない子どもをチャイルドシートに乗せる際、タオルなどで首を支えるとずれて口をふさぐ恐れがある。「苦しそう」とシートのベルトを緩くつければ、事故の際に子どもが座席から飛び出しかねない。
チャイルドシートの着用は、道路交通法で6歳未満児に義務づけられており、違反した場合、罰則はないが、違反点数が1点つく。
警察庁と日本自動車連盟(JAF)が4月に行った調査でも使用率は56・8%だった。
(2010年7月14日21時55分 読売新聞)