ドラゴン

 日曜日、Tkは午前中でかけていてお昼ごろに帰ってみると、TmもYuも家にいません。どうしたんだろうと思って外を見ると、ご近所の友達とみんなで雪にまみれて遊んでいます。
 アパートの中庭には、ご近所のパローマたちが作った鎌倉がここ数週間鎮座していたのですが、それがさらにグレードアップしています。その傍にはまた雪の塊ができつつあって、なにやらみんなで遊んでいる様子。Tkも輪に入ろうと思って近づくと、パローマのだんなのマニュエルが雪だるまを作っています。雪だるまを作ってるのかと単純に思い、それに倣ってTkも雪だるまを作っていると、パローマが"雪が必要なの。この木の根元にくっつけて!"と声を掛けてきました。何をやっているのかと思ったら、中庭にある木を支えに使って、ドラゴンの雪像を作っているんだとか。パローマはメキシコ人で、本職は小学校の美術の先生です。アパートで毎週ある集まりでは、アートクラスをやっていて、本人も個展を開いたりするほどなので、彼女が作るドラゴンは、さぞ本格的でしょう。アートクラスは子供クラスと大人クラスが毎週あって、毎回色んな工夫をしてアートを楽しんでいます。Yuほどの子供ですら楽しめるのは、彼女のリードの仕方がとても上手だからです。
 ドラゴン作り、面白そうなので早速協力することにして雪だるまを沢山作ってもっていきます。それをパローマと他の人たちと木に付けていって、ドラゴンの形を作ります。それを彼女が削っていって、いい感じに木に抱きついているドラゴンが形作られていきます。Tkもうろこを作ったり、Tmが色をつけるように絵の具を吹き付けたりして巨大な像ができました。最後には、また別なご近所がドラゴンに目を入れるためにブルーのボールを二つもって来てくれて、しっかりと魂の入ったドラゴンが出来上がりました。
 何でまたドラゴンを作ったのか聞いてみると、"何か作ろうかと子供たちに声を掛けたら、誰かが『ドラゴン!』といったから作ったのよ"と答えてくれました。子供たちと一緒に楽しめるように大人が集まってドラゴンを作っていくなんて、遊び心があるなぁーと感心しました。
 大人がそうやっている間、子供たちも雪を集めたり、自分達で遊んだり、ドラゴンの周りは大賑わい。最後に完成を記念して写真を撮り、談笑していると、それまで全くその場にいなかったご近所の人たちがワラワラと集まってきて写真を撮ったりしていました。
 Yuはお昼寝の時間を少し遅らせて、ずっと遊んでいました。手袋も途中で剥ぎ取り、自分の思うように雪を集めたり、鎌倉に入ったり、楽しそうに遊んでいました。周りに大人も子供も沢山いるので、ほとんど放置していましたが、パローマが"More snow!"と叫ぶたびに"Here you go"と握り拳ほどの雪を渡しているのがほほえましかったです。

ドラゴンに色を吹きかけるTm

パローマがドラゴンに目を入れています

みんなで記念撮影