社会と障害

 アメリカに来てから、本当に多くの障害を持つ人たちが普通に生活しているのを見かけます。特に私が住む町では連邦政府が出資して作った聾者のための大学があるので、全米から聾の学生が集まってきています。町を歩いていても、手話で会話をしている人たちを多く見かけますし、この間の独立記念日の花火でも手話で楽しげに会話をしているグループを見かけました。年齢も若年だけでなく、高齢者も多く見かけますし、普通に生活しているようです。視覚障害者の人たちはあまり逆に見かけませんが、足や半身不随になったような人たちも電動車椅子で気軽に外出し、スーパーマーケットで自在に買い物をしています。
 面白いのは、スーパーマーケットで働く人のにも、荷物を配送したりする人、他にもあちこちの職場で、一定の割合で障害者を見かけることです。スーパーには入り口に客の案内兼商品持ち出しのチェックをする人がいるのですが、そこには恐らく半身不随らしい症状をもつ人が車椅子に乗って接客をしているのを見たことがありますし、私が使っているベッドを運搬してくれたお兄ちゃんは耳が聞こえない様子でした。こうやって色々な形で障害者が社会で働く場をもつことができるようになっています。
 さて、日本はどうするのか?

保育士採用試験 全盲女性を門前払い 大阪市
大阪市の昨年度の保育士採用試験で、受験資格を満たしている全盲の女性が点字での受験を認められず、門前払いされていたことが、関係者への取材で7日分かった。同市こども青少年局は「特別の配慮はできない」と説明するが、識者から疑問の声が上がっている。女性は国家資格の保育士資格を持ち、私立保育園で8年にわたる実務経験もある。女性は「今秋の試験に挑戦したい。障害を理由に、受験さえ認められないのは納得できない」と訴えている。【遠藤哲也】
(7月7日15時1分配信 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090707-00000008-maip-soci