ボトムアップだけで生きているわではないんだなぁ

 脳のシステムを理解する上で、情報処理の方向を考えることは結構大切です。入力側から入ってきた刺激が階層的に処理されて行く過程をボトムアップ、逆に既にもっている知識や経験から情報処理の上層レベルから下がってくる過程をトップダウンと呼びます。例えば視覚システムでは網膜が入力層に相当し、脳の1次視覚野からV2、V3、V4、V5(MT)、ITへとネットワークが分岐、交錯しながら処理が進んでいきます。このボトムアップ処理だけでは説明できない現象の一つがこれ。お面の裏側を見ても凹んでいる様にはみえず、凸形状をした顔にみえるのは、顔が常に凸形なので、経験的に顔は凸型をしているというトップダウン処理が生じ、お面の裏側を見ても凹んでいる様には見えない、というのがこの現象の解釈です。分りやすいデモで思わず納得してしまいます。ただし、現象がうまく解釈できたからと言って科学的に解明されてたことにはならないので、そこは注意が必要です。