網膜細胞とカラービジョン

 今日はDavid Williamsの講演。彼は初めて健常な人間の網膜を、R,G,Bの錐体ごとに可視化した人です。網膜細胞がどのように並んでいるのかは、カエルなどの動物から取りだした眼球から網膜を切り出して顕微鏡下でみていたものが、生きている人間の眼底を光学的に捉えて、高解像度で写し出すことができるようになったのですから、すごい。
今日はカラービジョンの話でした。彼の技術で色盲の人の網膜が実際にどうなっているのか、調べられるようになりました。下にリンクした図は、人の網膜を波長選択性ごとに色分けした図です。(実際の網膜はもちろん色なんてついていません。)
リンク元 http://www.cvs.rochester.edu/williamslab/r_trichromatic.html

Roorda A, Williams DR. The arrangement of the three cone classes in the living human eye. Nature. 1999 Feb 11;397(6719):520-2.
http://www.nature.com/nature/journal/v397/n6719/abs/397520a0.html;jsessionid=2A0449D1F91B185BCDA717BFA6733FE3

カラービジョンの不思議を説明するために、トークの中で、立命館大の北岡さんの錯視図形が使われていました。赤と朱色のスパイラルが見えますが、両者は同じ色で描かれています。赤の周りの色が青色か、黄色かの違いによって同じ赤でも違った色に知覚されます。

引用元
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/color-e.html
北岡明佳の錯視のページ