時すでに遅し

時の文部科学大臣。元東大総長、元理化学研究所理事長、大学の法人化を決断

→はじめは運営費交付金を減らさないつもり

→しかし、どんどん減らされていき、どの大学も軒並み人件費の削減せざるを得ない

→任期制のポジションが増えていく。(任期が終われば首を斬れる。)

→若手中堅の安定した就職先が無くなってゆく。優秀な人材も残れなくなる。

→大学研究職を目指す若手が減少、学術論文数の減少

→エライ人が今ようやく後悔。(時すでに遅し)

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問題点はなんだったか?

# 独立法人化が悪かったのではなく、運営費交付金を毎年減らしていくという政策が最悪だった。

# 事務職の人員も、研究職も、首を斬りやすい任期制がスタンダードになっていった。

#  雇用の形態がどんどん任期制に移行していくことで、人材の流出が高まった。人材の流動性を確保することと、人材の流出の違いが分かっていない。

# 本当に実力がトップレベルの人は残ることができるが、それ以外はみな討ち死。スター研究者とその他大勢という構図。

# アカデミア(学術界)の人口を減らし、裾野を減らす方向にしか働いていない。

 

教訓:

# 国がいったん決めたことは覆せない。責任者が明記されていないのでいつの間にかだれもよくわからないままに悪い方向に進んでいる。気づいたときには遅い。

# 文科省が考えていいと思って実行したことは、財務省にとっては予算削減のツールにしか使われない。

# 財務省は予算を削減することしか頭にない。

# エライ人たちは後悔しても元には戻せないところに来てからようやく気付く。その間に大勢の若者がその業界に見切りをつけていることにすら気づかない。