泣きまくりジム

 学校が夏休み期間中ということもあって、色んな場所で子供用のサマーキャンプがあります。アメリカでは、夏休みの期間が日本よりも長いこともあって、休み期間中に子供たちの多くが有料のキャンプに参加します。キャンプといっても、別に山にテントを張るわけではなくて、ただ単にサッカーとか、野球とかの短期コースを取る事を指します。スポーツ意外にも、サイエンスキャンプもあれば、体操キャンプもあるし、空手キャンプもあるでしょうし、なんでもありです。色々な団体が子供用のキャンプを企画して売り込んで、そして親はお金を払って日中の子供の面倒を見てもらう仕組みです。基本的に子供は親か大人の監督の下でないと遊ぶことすらできない社会ですから、夏休みとはいえ子供たちだけでその辺に遊びに行って気マース、というわけにはいかないことが背景にあります。私たちが子供のときは(今でもそうでしょうが)、日本では、夏休みになれば近所の友達で朝から集まって日が暮れるまで遊び通した記憶がありますが、そういうのはこの社会ではある意味無理なわけです。

 Yuも今年は週に1度、3-5歳の年齢層対象のキャンプに参加しています。種目は、体育館での体操。体操といっても、色んなゲームをしたり、マットや体育館の器具を使って体を動かす程度のものです。親が側にいると気が散る子供がいる事を考慮してか、親はジムのドアの外で待っていなければいけないというのが、このキャンプのルールのようで、これはYuにとって新しいことです。今までは、どこに行くにしてもTmが一緒にそばについていましたが、今回はTmはドアの外側にいなくてはいけないので、1時間親を離れて先生や他の子供たちと一緒に行動します。(子供を預けて親は家に帰ることもできます)

 はじめの1回は問題なく、キャンプを楽しめましたが、翌週、翌々週と泣きまくりでした。ともかくTmが一緒じゃないとイヤだと泣き叫び、一人だけ端っこのほうで頑なに座って参加しない週が続きました。これは結構驚きでした。初回は問題なく楽しめたのに、なぜか次の週からは気が変わったようです。実際ずっと親と一緒に過ごしているYuですから、こういう状況は初めてなので、自信がないのかもしれません。ジムでやる内容は、Yuにとっては簡単なことばかりでどれも軽くできることなのですが、やろうとしません。簡単すぎてやらないのかもしれませんが。

 昨日は始めて、泣き叫ぶことなくジムで過ごしてくれました。回が進むにつれ、他の子供たちも慣れてきていることもあって指導の先生の一人がYuの側に一人付いてくれて、一緒に声を掛けてやってくれたのも大きかったようです。

 キャンプの時間中、ジムの総責任者らしいいい雰囲気を醸し出したおじいちゃんが、体育館の様子を見にきてくれたそうで、Tmににこやかに"Don't Push him、OK?"(あんまりあの子に強いてはいけないよ、(彼は彼のペースがあるんだからね))と話しかけてくれていたそうです。この年齢の子供たちは、人それぞれ、ひとり立ちまでのプロセスが色々ですから、根気良く見守っていく必要があるようです。

 昨日は、Tkが家に帰ると"今日はジムで泣かなかったよ!"と嬉しそうに話してくれました。さて、来週はどうなるでしょうね。