肝心な情報が抜けている

ニュースとしては、低濃度の汚染水1万トンの健康に対する影響は、殆どないという趣旨の記事です。でも最後のこの記述

しかし、記者会見した保安院の西山英彦審議官は、高濃度汚染水がいつから、どれぐらい流出したか分からない上、意図した放出ではないとして、東電に詳細な報告を求める考えはないと述べた。

高濃度の汚染水については不可抗力なので問わない、というのは意味が分らない。これが一番必要な情報なんじゃないのでしょうか?低濃度の汚染水が1万トン流れても、それは少量の、高濃度汚染水ていどにしか過ぎないはずです。では、高濃度汚染水がどれくらい流れたのかを調べる必要があるはず。少なくとも、高濃度汚染水が流出した時間は確認できる限りの範囲でわかっているはずで、予想される圧力と、あとは漏れ出した場所の穴の直径が分れば、おおよその推定は簡単にできます。小学生の計算の範囲です。別に間違っていてもいいんです、ちゃんと計算する際の前提さえ明らかにしくれれば。その上で健康に影響があるかどうかを公表するのがホアンインの役割なんじゃないでしょうか。肝心なところを押さえないで何をやっているんだか。

海に放出1500億ベクレル=「低濃度」汚染水1万トン―福島第1
http://news.livedoor.com/article/detail/5493831/
2011年04月15日22時13分
提供:時事通信社
 福島第1原発事故で、東京電力は15日、高濃度汚染水の回収先を確保するため海に放出した比較的低濃度の汚染水の総量は1万393トンで、含まれる放射能は1500億ベクレルだったとの報告をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。当初計画の1万1500トン、1700億ベクレルを下回った。
 報告によると、今月4日から10日までの放出で、沿岸や沖合の海水に含まれる放射性物質濃度に顕著な変動はなかった。大人が近隣の魚や海藻などを毎日食べても年間被ばく量は0.6ミリシーベルトで、一般人の許容量1ミリシーベルトを下回る。
 放出量の内訳は集中廃棄物処理施設が9070トン、5・6号機の地下水排水設備が1323トン。放射能濃度は放射性ヨウ素131の場合で1立方センチ当たり20ベクレル(国の限度の500倍)が最高だった。
 保安院は報告を妥当と評価。調査地点を増やして影響評価を継続し、周辺海域の魚介類の放射線量や食べた場合の評価を発表するよう指示した。
 一方、2号機の取水口付近では、2日に高濃度汚染水が海に直接流出しているのが見つかり、流出は6日まで続いた。2日に採取した流出水の放射能ヨウ素131だけで同540万ベクレルと極めて高かった。低濃度汚染水の総放射能量1500億ベクレルを、この540万ベクレルで割ると、わずか28リットルとなる。
 しかし、記者会見した保安院の西山英彦審議官は、高濃度汚染水がいつから、どれぐらい流出したか分からない上、意図した放出ではないとして、東電に詳細な報告を求める考えはないと述べた。
 東電は15日、全国漁業協同組合連合会や福島、茨城両県の漁協に報告内容を説明。東電によると、漁協側からは「二度とやってほしくない」などの意見が出たという。