本当に最終手段だったのか?

東京電力曰く、”低レベル”の基準の500倍の放射能汚染水が5日間に渡って海に放出されるそうですね。会見を見ると"追い詰められて、追い詰められての苦渋の決断"をしたといっていましたが、海への排出は本当に最終手段だったんでしょうか?

750万倍とか1億倍とか言われる高濃度の汚染水が海に出てしまうのを避けるため、というロジックはもちろん分りますが、他の手段は探さなかったのか疑問です。時間的余裕が無かったのかもしれませんが、タンカーなり他にも汚染水を一時的にでもプールしておく方法はあったと思うんですが、何が問題だったんでしょうね?素人考えでは、タンカー会社からタンカーそのものを政府が買い上げて、それを福島にすぐに直行させた上でガンガン汚染水を入れればいいような気がするんですが。タンカー会社は困るでしょうが、そこは非常事態なんで政府が何とかできなくも無いはずです。今からでも手配して少しでも汚染水の排出をやめる方法に動かないのも、理解できません。東電やホアンインの会見でも、他の方法は何で取れなかったのかを何も説明していなかった気がしますが、検討くらいしたんでしょうか。

どうも、"ケンコウヲガイサナイ"という呪文の基に、全てがOKになっていくのが遣る瀬無くなります。そんなに健康に害が無いと思うのなら、この基準を基にゴーサインを出した人は毎日この近海で取れたお魚を食べ続けてほしいくらいです。

何が技術的な問題があってどうしても他の方法が何一つ使えなかったのだとしたら、それを説明してくれないと、納得できません。

原発汚染水放出…専門家は警告「このままでは危険」
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/04/06/kiji/K20110406000572870.html
東京電力は5日、福島第1原発事故で低濃度の汚染水を海に放出する作業を続け4200トン以上を流した。2号機取水口付近で採取した海水からは法令濃度の750万倍の放射性ヨウ素を検出。北茨城市近海で採取したコウナゴ(イカナゴの稚魚)から暫定基準値を上回る放射性物質が検出された。海は、魚は大丈夫なのか。専門家も「このままでは危険」と警告している。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、1〜3号機のタービン建屋などにたまっている高濃度の放射性物質を含む水は推定計約6万トン。東電はこれらの水の保管先を確保するため、敷地内の「集中環境施設」や5、6号機の建屋周辺の井戸にたまった汚染水を放出する作業を続行。総計約1万1500トンを放出する計画で、5日午後の推定で集中環境施設から4200トン以上、井戸から約30トンを流した。

 東電は、海に流すのは「低レベル」の汚染水で魚などを食べ続けても人体への影響は小さいとしているが、含まれる放射性物質の濃度は最大で濃度限度の500倍。一方、2号機取水口付近で2日に採取した海水からは法令の濃度限度の750万倍に上る1立方センチ当たり30万ベクレルの放射性ヨウ素131を検出した。

 ヨウ素の濃度限度は1リットル当たり40ベクレル。水道水の場合、国が定める摂取制限の暫定基準値は同300ベクレル。2日採取分から検出されたヨウ素を1リットル当たりに換算すると3億ベクレルとなり、数値の高さが歴然。京都大原子炉実験所の高橋千太郎教授(放射能影響科学)は「今までよりもかなり高濃度。高濃度汚染水の流出をすみやかに止めなければならない」と指摘した。
[ 2011年4月6日 06:00 ]