健康に影響しない、は間違っている

 放射能漏れがあるたびに、やたらと”健康に影響しない”という文句が使われますが、この言い方はもう使わないほうがいいと思おもいます。放射能漏れによって被曝した場合、健康に影響しないかどうかは、5年、10年たってみないと解りません。今わかっているのは、過去のデータによって放射能が漏れた時点で人体への深刻な影響が見られないだけで、今後ずっと健康に影響が無いとはいえないはずです。

 福島原発で作業を続けている人たちは、おそらく既に被爆している人も多いでしょうし、これから被爆する人も出てくるでしょう。今回1万倍の放射性物質が検出された水に足を使った状態で作業して被爆した人は退院したそうですが、今後どれくらい彼らの健康状態はトラックされるのでしょう。被爆した場合、その後に現れる疾患や被曝による後遺症は、どれくらい保障されるのでしょうね。
 
 今は決死の覚悟でみな立ち向かっているので目を向けられていませんが、現場で働く人たちが、被曝してそのアフターケアまで制度化されたり、考えられているとはとても思えません。

 原発で働いている人の多くは、東電ではなく、それ以外の協力会社や下請け、孫受けだそうですが、彼らの保障は誰がするのでしょう?当然東電と政府がサポートすべきだと思いますが、この騒動が治まった頃にはなんだかんだと言い訳をつけてうやむやにされてしまうような気がしてなりません。

 こういうことも、政府が早急に制度化すべきことに一つであるはずです。

<福島第1原発>被ばくの作業員3人、放医研を退院
毎日新聞 3月28日(月)13時32分配信
 東京電力福島第1原発で復旧作業中に被ばくした作業員3人が28日、搬送先の放射線医学総合研究所千葉市)を退院した。高レベルの放射性物質を含む水が靴の中に入った2人は、足に被ばくしたが、皮膚にやけどの症状は出ていないという。
 放医研によると、この2人の被ばく線量は当初、2〜6シーベルトと推定されたが、分析の結果、2〜3シーベルトに修正。内部被ばくも健康に影響しない程度とみられる。退院後も経過を観察するという。【味澤由妃】

【追記】

「直ちに健康には影響しない。冷静に対処してほしい」の意味
愚かな馬鹿の壁, 大大代大


福島原発事故での放射能汚染について、官房長官をはじめテレビに出てくる専門家も口をそろえて言うこの謎の呪文。

「直ちに健康には影響しない。冷静に対処してほしい。」

これは官僚語なのである。

これはあくまで、最悪の場合官僚や政治家に責任が及ばないように使われている言葉なので、本当に危ないかどうかとは関係はないという。万一を考えての言い回しだそうだ。

この呪文を国民の立場で意訳すると、

「少なくとも本日中には健康に影響は出ませんが、将来出る可能性もあります。冷静に自分の被曝量などを考慮して、必要なときは自分の判断で避難してください。政府は責任を負いかねます。」
ということになる。