ネンノタメ委員長

 考えてみればおかしなものです。はじめは10キロ、そして20キロまではアンゼンアンゼンと唱えてきました。今も30キロに避難地域を広げようとしていますが、それでもネンノタメダと付け加えながら避難させようとしています。しかも自主避難。なんじゃそら。

 徐々に徐々に避難地域を広げていくのは、一気に広範囲を避難地域に設定するよりも余程心理的恐怖を与えていきます。少しずつ放射能が広がっていく様子を避難地域の拡大とともに感じるわけですから、逆に精神的に追い詰めていくように思います。

 大体自主避難って言うのがナンセンスです。避難させるのはリスクがあるからであって、危険がないのなら避難しなければいいだけです。少しでも危険性があるのなら、リスクが確実に低くなる距離まで一気に避難させるべきだと思います。最終的に今回の事故がどこまで自体が悪くなるのか予測をつけていないから、ネンノタメネンノタメと念仏を唱えながら避難地域を広げているような気がします。一気に80キロなり100キロなりの範囲の人を避難させるのと、徐々に徐々にそのつどそのつど避難させるのでは、どちらが安全性においてかつ被災者の精神面と、避難をさせるためにかかる物理的かつ経済的コストがいいのか考えて避難方針を決めたらどうでしょう?ネンノタメ原子力安全委員長?

自主避難」地域に1万人…自衛隊・消防支援へ

 防衛省は25日、東京電力福島第一原子力発電所から20〜30キロ・メートル圏内の屋内退避区域で、住民の「自主避難」の支援に向けた現況調査を開始した。

 総務省消防庁は同日、10都県の緊急消防援助隊員が介護の必要な住民の搬送にあたると発表した。政府は、事故の推移によっては原子力災害対策特別措置法に基づき、20キロ・メートル圏内に出している「避難指示」に切り替える可能性もあるとしており、住民の受け入れ先や移動手段確保などの準備を加速させる。

 読売新聞のまとめでは、屋内退避区域にかかる8市町村では、既に住民が自主避難を始めたり、自治体が区域外への避難を呼びかけたりしているが、少なくとも1万人が残っているとみられる。

 枝野官房長官は25日の記者会見で、こうした住民の自主避難を積極的に促すよう関係市町村に指示したことを明らかにした。理由については「安全性の観点からは屋内退避が必要という状況は変わっていない。ただ、物資が届かない状況を踏まえた柔軟な対応は国としても積極的に支援する」と述べ、物流などの停滞の長期化で生活維持が困難になっていることを強調した。

 藤井裕久首相補佐官は同日、「各党・政府震災対策合同会議」で、「場合によっては、強制的な(避難を求める)こともあり得ることを念頭に置きながら対応を進める」と述べた。

 これを受け、自衛隊は、消防、警察と協力し、関係市町村の電話連絡で所在確認できない住民の家を訪問することにしており、避難を希望する場合は自衛隊車両を使うことも検討する。

 緊急消防援助隊員が搬送にあたるのは、主に在宅介護を受けている住民らが対象だ。総務省消防庁が東京、静岡、岐阜など10都県に要請し、了承された。

 一方、政府の原子力安全委員会も25日、20〜30キロ・メートル圏内の住民の自主避難が望ましいとする見解を発表。班目春樹委員長は「環境モニタリングなどで放射線量が上がっていることなどが理由。念のためだ」と説明した。

(2011年3月26日03時03分 読売新聞)