”アメリカでは一般的”の不思議

 この年になって、新聞やニュースが真実を伝えているわけじゃないことは気づいていますが、この記事かなり内容に疑問が残ります。

なぜ米国では3人に1人が帝王切開なのか 2011.01.17(Mon)  石 紀美子
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5261

 その米国で、帝王切開で子供が生まれる率が史上最高となった。全体の32%、つまり3人に1人は帝王切開で出産していることになる。今や、全国の病院で行われる手術のトップは帝王切開となった。
 産婦人科の医師らによると、これは異常な数字だという。WHO(世界保健機関)は、米国の医療水準だと、全出産の15%ほどというのが妥当だという。
 なぜ米国では毎年帝王切開の率が高くなっているのであろうか。

本当?アメリカでは3人に一人も帝王切開しているんですか?アメリカの地方都市に住んでいますが、そんな印象は無いんだけど。

自然分娩を知らない国民
 ここ数年、女優や歌手などの著名人や、都市部、特にマンハッタンやロサンゼルスなどに住む女性はこぞって「セレブ出産(Designer Birth)」を選ぶのがステータスとなってきた。
 日にちを決め、その日に計画的に帝王切開で子供を産むことを指す。病院によっては、直後に腹を引っ込める整形手術をオプションとして設けている。帝王切開の傷跡は、後に整形手術によってほとんど分からないようにしてくれる。
 日にちが決められれば、仕事や遠路やってくる家族の日程がはっきり決められる上、産みの苦しみを避けることができる。
 この例は極端だとしても、同じ理由で妊婦が主体的に医者に帝王切開を願い出る「選択的帝王切開(Elective C-Section)」は、ごく一般的なことだ。

選択的帝王切開は一般的なことだ。。。そんなこと無いと思うのだけど。そもそもセレブ出産なんて単語知りませんし、Designer Birthの訳にはなっていない気もする。Tkが知る限り、身の回りの多くの人が自然分娩で出産しているし、帝王切開も、妊娠に問題があったり、緊急に必要な場合だけに行われているという認識なんですけどね。

 大きな病院では、80〜90%の女性が麻酔薬を用いた「無痛分娩」で出産する。

 これも知る限り正しくない。確かにアメリカでは無痛分娩は標準のオプションとして選択できます。でも選ぶのは個人によるので、無痛分娩を選ばない人も結構います。逆に日本では殆どの病院で無痛分娩を選択することが出来ていないんじゃないでしょうか?ここで80-90%と出している数字はどこから出てきたんでしょうかね?

 話はそれるけれど、出産に限らず、歯医者で治療を受ける場合、歯を削る場合はアメリカでは必ず局所麻酔をされます。麻酔を受けたくない場合はもちろん自分で希望を出すことも出来ますが、これに関しては殆どの歯医者で局所麻酔をした後にドリルで削っていきます。これは悪い面もあって、コストが少なからずかかるはずです。だから歯医者は高いのかもしれません。日本では、ガッツと根性で歯の治療を受けますから、その分安いんでしょうかね。どっちがいいのか、微妙なところです。安いほうがいい、気がしますが。

また、米国の産婦人科医で自然分娩を実際に見たことがある、もしくは自ら担当したことがあるという医者がほとんどいない。

 これも信じられません。そんな産婦人科医、いるのか?この記事を書いた人、どこからどういうソースを使って書いたのか教えてほしいもんです。こういう記事を読むと、ジャーナリストを名乗る人たちがどれくらい確かな資料を持って記事を書いているのか懐疑的になります。