リアル歴史の勉強

 日本にいるとニュースでしか見聞きすることができないようなことが、海外に行って生活をしていると直接知ることができます。
 アパートのご近所に台湾人の家族がいて、子供の年齢が近いこともあってTmとYuはよく遊んでもらいます。こちらにきて知り合う台湾の人たちは大抵気さくで、おおらかで、そしてオープンな人たちで、雰囲気もちょっともう一つの国から来た人たちとは違うような気もします。
 そんな彼らと何気なく話をしていたときに、子供の歌の話になったそうです。それで、Yuに歌い聞かせている歌の話をTmがしていて、"あっめ、あっめ降れ降れかーさんが〜♪"と歌ってみると、その台湾人の友達のヘレン、「あ、その歌知ってるつづきは"じゃんのめぇおっむかえうっれしーなー♪"だよねー、でもその後は何だっけ?」というではありませんか。もちろん彼女、私達と同年代なので戦時中に育った人のように日本語は喋れません。けれど、子供の頃に親御さんが歌ってくれていたようで、しっかりと憶えていたんです。しかも日本語でちゃんと歌える。これにはちょっとビビリました。
 60年以上前に、日本が台湾を支配下においていた頃の名残が、今こうやって日常生活で現実に現れてきていることが驚愕です。日ごろこういうことを遠いところの出来事だと思っていたのに目の前で起こるなんて、歴史はつながっているんだなぁと、とても変な感覚になりました。