例の騒動

もう下火になっていますが、例の神戸理研の捏造騒動、もういい加減に終わりなんでしょうか。

 

今日読んだ記事では、小保方さん側弁護士が、理研が彼女を解雇した場合、違法になると主張しているんだとか。

「小保方さんを解雇したら違法」弁護団が理研・懲戒委員会に「弁明書」提出(全文)

http://www.bengo4.com/topics/1561/

 解雇が違法かどうかなんて、もうどうでもいい、好きにしてくれという感じですが、一つだけ、不可解なことがあります。項目4の部分

 

 このSTAP論文はNature誌に投稿して、却下されたあと、Science誌にも投稿しているんですが、その査読者から捏造した部分の指摘を受けているらしいんですが、その時点で対応していれば今回のようなことは起こらなかったはずです。捏造が故意かどうかの根拠の一つに、この査読者の指摘を無視したことがあるようなんですが、それについてのコメント。

  

(4)Science誌査読者指摘をもとに認識を認定した点の誤り

調査委員会は、再調査不開始の意見の際に、Science誌の査読者からの指摘をもとに、異なるゲルに由来するレーンを区別すべきことについて認識があったと認定した。しかし、この点については、2014年4月27日に調査委員会から質問を受け、同年5月1日に、要旨以下の回答を行っている。

1 このScience誌のエディターからのメールでは、論文がreject(リジェクト―却下)されただけでなく、再投稿が許可されておりません。再投稿が許可されているのであれば、レビューワーからのコメントを精査したうえ、それに対応して訂正して再投稿すると思います。しかし、再投稿が許可されていない場合に、レビューワーからのコメントを精査することは通常ありません。再投稿できないので、それを検討しても意味がないからです。 

2 また、他の雑誌にScience論文と同じ論旨の論文を投稿するのであれば、レビューワーからのコメントを検討すると思いますが、申立人は、このScience論文と同じ論旨の論文を、他の雑誌に投稿したことはありませんでした。このScience論文リジェクトの後、2012年12月からは笹井先生に論文指導を受けることになり、異なる論旨での論文執筆となりました。ですから、申立人は、Science誌のレビューワーからのコメントを検討したことはありません(正確には、コメントを読んだ記憶がありません)。

 Tk自身も今、査読者のコメントに対応しようと日々解析や執筆をしていますが、投稿した論文が科学誌に却下されたからといって、査読者の貴重なコメントを無視することはあり得ません。却下された理由がそこにはあるはずで、査読者からのコメントによってより質の高い、穴のない研究論文になります。時には理不尽なコメントに涙を呑むこともありますが、そういう理不尽なコメントに打ち勝つことが求められる世界ですから、それを読んだこともなければ検討したこともないと言い張れる研究者がいることに驚きました。あり得ない話です。

 

 これは、共著者の責任も重いし、共著者たちがコメントに目を通していないのは一目瞭然です。 こういう弁明をだした小保方さん側の考えも理解に苦しみます。法律上有利になるように動いた結果なのかもしれないけれど、研究者の業界的には完全にアウトなんですよね。もう何を言っても結果は変わらないうえに、どんどんぼろが出てきているようにしか見えません。