子どもの安全を考慮しない武道指導

 義務教育で武道必修になるそうですが、学校での武道を指導する場合は、どれくらい安全面を考えているんでしょうね。ただでさえ死亡事故の多い柔道ですから、学校の授業で、武道経験のほとんどない先生が教える柔道の授業なんて自分の子どもには危なくて受けさせられません。よほどカリキュラムがしっかりしていて、複数の専門指導者がいても、安全面について考えられていない武道指導には賛成はしがたいです。

 こう言うニュースを読むと、どれくらいの子どもたちが、未熟な武道指導者のはけ口となって殺されているのか、悲しくなります。

 ここ数年、合気道の子どもクラスの様子を見ていますが、子どもが柔道教室の最中に時計を見たくらいでやる気が無いと捉えるのは、指導者としては大分イカレています。子どもが飽きるような指導をしているから時計を見るのですし、集中できる時間が短い子どもだからこそ、メリハリのある指導をしなかった指導者のやりかたが下手なだけです。自分こそ、指導を受けていた時に時計を見た事が無いのか聞いてみたいものです。

 大体子どもが集中できるのは15分程度ですから、15分置きに水分補給の休憩を入れたり、技と基礎体力作りだけでなく、遊びや一緒に考える時間を取り入れたり、いろんな工夫をしてしかるべきで、子どもが飽きないように、尚かつ毎回何かできた!と思えるような指導をしていくのがいい指導者でしょう。

 でも、そういう工夫をしている所は少ないんでしょうね。ましてや学校の武道の授業なんて、とても信頼できないように思います。
 

大阪の柔道練習死亡:教室指導者、起訴内容認める−−初公判 /大阪

 大阪市此花区の柔道教室で小学1年の男児(当時6歳)が練習中に死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた教室指導者、阪本剛被告(36)の初公判が18日、大阪地裁(中川博之裁判長)で開かれた。阪本被告は起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、男児が練習中に時計を見たため、阪本被告は「やる気がない」と考え、激しい稽古(けいこ)をさせた、と指摘した。阪本被告は「頭を強打しなければ大丈夫と思った」と説明したという。検察側は、母親が心情を記した文書を読み上げた。文書には「最後まで息子は柔道を頑張っていた。今も亡くなったことを受け入れることができない」と記されていた。

 起訴内容によると、阪本被告は昨年11月、受け身の習得が不十分な男児に連続して立ち技をかけ、約1週間後に脳腫脹(のうしゅちょう)で死亡させたとされる。大阪区検は今年5月、略式起訴したが、大阪簡裁は通常裁判が妥当として「略式不相当」と判断し、審理を大阪地裁に移送していた。【苅田伸宏】

毎日新聞 2011年8月19日 地方版

http://mainichi.jp/area/osaka/news/20110819ddlk27040271000c.html