留学生の数

 この差はアメリカの大学にいるとよくわかります。今いる環境での感触からすると、留学生の半分以上が中国人、次いでインド人が1/4くらい。さらに韓国人が続きます。日本人はほとんど見かけません。日本から海外へ出ると、日本に戻って就職することがとても難しいことが原因のような気がします。だいたい日本では、海外に留学した事はあまり評価されない気がします。大学生、もしくは大学院生をアメリカやヨーロッパで過ごしたとしても、"ヘースゴイネ"という程度で、よほど名の知れた大学、(オックスフォード、ハーバード、MIT)出ない限りは、なにか別世界の出来事を見ている感覚なのではないでしょうか。最も、日本では国内であっても大学院に行ったからといって、特に評価はされないですし、逆に博士課程を卒業した人は、人並みな道すら歩けない世の中ですから、いわんや留学をや、となってしまうのでしょう。こういう社会で生きて行く為には、自然に海外志向は減って行くのは当然で、自明な気がします。それでいいのかどうかは全く別な話ですが。

ハーバード大の日本人留学生数 韓国人の1/8、中国人の1/7
NEWS ポストセブン 10月27日(水)17時5分配信
 今年のノーベル化学賞受賞が決まった根岸英一氏、鈴木章氏はともに若い時期に海外に飛び出して研究に励んだ。しかし、近年の若者は「内向き」志向が強い。若手社員の意欲低下は企業経営にも影響が甚大だ。

 海外に長期派遣される研究者の数がピーク時よりも半減している。海外の大学や研究機関に1か月以上滞在する研究者は昨年度で3739人。ピークだった2000年度の7674人から大きく減少している。

 白熱教室で話題のハーバード大学でも、昨年の留学生666人のうち日本人はたったの5人だった。韓国42人、中国36人、シンガポール22人、インド20人に比べると大きく水をあけられている。米国への留学生自体、昨年の日本は3万人足らずで、約10万人のインド・中国、約7万人の韓国の後塵を拝している。

 留学生の減少で、日本の大学の存在感も低下している。米国の大学院の博士号取得者の出身大学別ランキング(2008年)では、日本の大学は425位に東京大(23人)が入るだけ。1位の清華大(472人)をはじめ中国の大学がベスト10の3つを占めているのに対し、あまりに情けない。

 記事の最後に、あまりにも情けない、とありますが、この感想は的外れな気がします。生きて行く為の選択を賢くできるひとほど、海外留学が不利になる事を感じているとすれば、必然なはずです。喰いっぱくれるのがあらかじめ解っていながらその道を選ぶ人はそんなにいるものではありません。