キケンな日常

 今日の晩ご飯はゴハンに山芋を堪能しました。食事の後リビングでくつろいでいた所、Tmが突然叫びます。"あの人銃持ってる!みてみて!"まさかと思ってみて見ると、カバンを持った若い男がダッシュで裏庭を駆け抜けて行きます。我家の裏庭を通り抜けて行くので、丸見えです。なんじゃありゃ?と思ってみていましたが、雰囲気はどう見てもおかしい。暖かい季節になっているのにジャケットを着て、帽子を深くかぶって、サングラス。手にはバックパックを抱えています。


 Tmは先に走っていったもう一人の男も見たらしく、そっちは銃のような形をしたものをもっていたんだとか。二人組みの男で、比較的若い人たちでした。窓は閉まっていましたが、子供もいるところから外からも中からも丸見えの状態で目の前を駆け抜けていったのでちょっと緊張しました。ひょっとして何かの犯人が逃げて行ったのかな?と思いながら外に出て、裏庭を覗いていましたが、既に去ったあとでした。
 その時間はまだアパートには子どもも大人も外で遊んでいる時間だったので、ご近所の人に"なんか変な二人組が裏庭を駆け抜けて行ったんだけど、見なかった?大丈夫かな?"と声を掛けたら、そのアメリカ人、"なにかしらね?おもちゃの銃で遊んでいたのかしら?ペイント銃みたいなやつ?変な人が裏庭を通ったら、『ウチの裏庭で何やってるの!』とでも叫べばいいのよ、あはははは〜”と言っていました。


 その数時間後、夜の10時を回った頃、ドンドン!とドアをノックする音がします。何かと思ったら、警察とセキュリティーが3、4人で我が家へやって来ました。そう、何かあったようなのです。
 話を聞くと、我家の裏庭の林の奥の住宅地で、強盗があって、その犯人が逃げて来たのだが見なかったか?どういう服装でどういう特徴だった?年齢は?など事情聴取を受けました。特になんの人種だったかを聞かれましたが、帽子を深く被っていたし、案外はっきりとは憶えていないものです。


 警察に、何があったのと聞くと、裏の住宅街でrobber(強盗)があったんだそうです。裏の住宅地とこのアパートの間には林が隔たっていますから、森林に向かって逃げてきたんでしょう。アパートの裏手にある森のほうにかけていきましたから、逃走経路としてはおかしくありません。この季節、まだ森の中は雪解け水がたまっている箇所が多くあり、びしょびしょになること請け合いなのですが。


 結局、その晩は事情聴取のみでしたが、アメリカでのキケンな日常を目の当たりにしてしまいました。3年すんでいて、初めてです。こんなこと。このエリアは、町の中でも安全な地域なのですが、こういうこともあるんですね。気をつけなくては。