大学の話 その1 夕方の講義

 Tkが仕事を終えて、帰ろうとビルの中を歩いていると、講義室の一角から、講義をしている声が聞こえます。講義室のあるブロックでは、もちろん日中は学部生用の講義が行われますが、夕方になるとその他の講義が入っているようです。この間は日本語の授業。恐らく日本人と思われる女性が日本語の講義をしていました。別な日には社会人とおもぼしき人たちが講義を受けていました。社会人用のレクチャーでしょうか。あとは毎週見るのは聾者向けの講義。もちろん手話で全部行われているようで、時には教室外の広い廊下でなにかデモンストレーションをしていたりもします。廊下中にあふれる人たちが手話でなにかやっている間を縫って歩くこともあったりします。
 この様子から、アメリカでは大学と一言で言っても色んな形で社会に寄与しているようで、自分の大学の学部だけでなく、色々な形で教室を使ってもらっているのだと思います。システムはよく知りませんが、そういうことが無駄なくされているのが日本と違うところだと感じます。
 普通に大学生をやって、卒業した後社会人になって、というコースをたどるとあまり知るチャンスもありませんが、日本でも大学の通信教育制度があります。普段は送られてきたテキストを元にレポートを書いて提出し、夏季や冬季に集中講義があって、大学まで講義を受けに行きます。この過程で学士を取得することもできるし、教育課程がある大学では教員免許を取ることもできるようです。入学してくる学生の数が減る今が、大学の運営方法を工夫するチャンスかも知れません。社会人になっても、大学の講義を気軽に受けることができる、そんな大学が身近にある環境になるといいですね。